第298話昔取った杵柄

今日は透析の後久しぶりに一人IT社長から呼ばれています。

今回は血圧変動がなく急激な低血圧にならず食事を済ませて彼の間借りの事務所に行きます。

出来るだけ体調のいい時は歩くようにしています。

5人ほどいる部屋の片隅に彼の机があります。

「先月は?」

「ようやく30万を超えました。でもまだまだ安定はしていないので」

彼は共稼ぎでシニアNPOの片隅にいたのですが、思い切って友達の事務所に移りました。

「今までの和菓子屋のホームページの仕事が最後になりそうなのです」

「ああ、あのホームページですね」

「6か月アクセス数も上がらないし、売り上げにも貢献できていないと」

「そうですね。あれは見せるだけのホームページですからね」

「それで今のシニアNPOの話をしたら、昔話を聞いたことがあると」

「そうですね。もう20年も前になりますが講演をしていた時に聞かれたのではないかと?」

「それならその人と新提案をしてもらってもと」

「そうですね。ITの人はITに溺れてしまって社長達がなぜITを使いたいのか忘れていると思いますよ。儲けたいのですよ。これは思いつきですけどね、結構この会社は新商品を良く出しているようですし、宣伝にもお金を出しているようですがもう一つ効果がないように」

「儲けることほとんど考えたことないですね」

「たとえばレシートとかで占いを見ておまけをするとか短いアンケートを取るとか提案してみたら?」

「面白いですね。提案書が出来たらチェックしてもらいませんか?利益の取り方も共同事業でお願いします」

こういう仕事で飯を食べていました。

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