第159話労働審判は和解の場?
案の定労働審判は期日だけが過ぎますが、これといった新しい証拠も出ず、審判が下せれるのでしょうか?
今日は期日の最終日ということで当事者として部長と私が法廷に出ました。
相手側は総務部長がへらへらと笑いながら出てきています。
「結局盗聴テープが証拠として出されましたが、これで何を証明したいのかよく分かりませんが?」
裁判官が呆れた声で聴きます。
「乗っ取りの証拠です」
被告の弁護士が怒ったように言います。
「どの部分なんですかねえ」
とあからさまに言われても長い書き起こしの文章にはそれらしい会話がありません。
逆にどう説明しようかと考えていた当方の弁護士が肩透かしを食っています。
「会社としては?」
「はい。ただ社長からこの件については和解はあり得ないとだけ言われています。それ以外分かりません」
総務部長らしい返事です。
「これでは審判の仕様がありませんね」
「でも出るものが出たので審判が行われないのですか?」
私は不思議なのもを見るように尋ねます。
「和解の余地もないので一般裁判に」
どうも労働審判は和解の場のようです。
双方の弁護士が残されて10分ほどして法廷に入ります。
「最終期日は・・・」
なんと部長だけ出席で私の労働審判はあえなく終わってしまいました。
8割強が和解する残りの2割弱になってしまいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます