第103話最後の仕事
今日は定例の内科の診察で、夜は不動産部長と係長の女性と相棒の4人で飲みます。
乾杯のビール以外は焼酎の水割りを相棒にお願いしています。
会社の揉め事の話し合いは日本的にお酒の席になります。
内科の主治医はパソコンの中の検査値を見ています。
「クレアチニンがついに6台に突入しました。ここから5台に下げるのは難しいです。血糖値も186あります。これは血液透析のパンフレットですが、今から読んでいてください」
ついに透析か!
暗い気持ちで飲み会の場所に向かいます。
現在は1時間がトイレの限界になっています。
「ホテルの仕事はどうや?」
すでに不動産部長は出来上がっているようです。
「ここだけの話やが、社長はあんたをずいぶん買っているな。ホテルの件は一般の幹部を交えない。俺はそれはいいことだと思っている。だがここの社員はそれに不安を抱いている」
「ここの社員は昔から自分のテリトリーを守るので必死なのです」
女性の係長も不動産部長という傘の中にいます。
「社長はあんたを専務の後釜と考えとる。俺は62歳や。一度だけさしてほしいんやどうや?」
「私は専務など考えていません。ホテルの立ち上げをすればひと区切りつきます。部長の専務を応援しますよ」
もうそれほど時間は残されていないのです!そう言いかけて止めました。
「これで決まりや」
会社員生活はこれでお終いだろうと思います。
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