第102話派閥争い

また貧血と白内障が進んだように思います。

足が夜中につることが多くなりました。

「そこまでして仕事をしなくても」

と今日も朝女房に言われました。

頭では分かっているのですが、何とか目途をつけるまでと思っています。

女性陣の噂情報では現場は賛否両論です。

売り上げはじわじわと右肩上がりです。

「気になる情報があるんです」

相棒の部長が首を傾げて椅子を移動してきます。

「昨夜不動産事業部の同僚と飲んだのですが、髭の専務と不動産事業部長と2日前の飲んでいたようです」

「知り合い?」

「どうも下請けの管理会社の社長からの紹介であったみたいなのです。同僚曰くは金を握らされたらしく、3次会まで一緒だったという話です。部長は金には弱いですから。次の日に部長からから社長にホテルの会議に出席したいと提案しています。嫌な予感がします」

「出てもらえばよく分かると思うが?」

「部長は硬派で悪い性格ではないのですが、博打好きで相当の借金があるのですよ。髭の専務は手元資金で操るタイプです」

「どうすればいい?」

「一度こちらから飲み会に誘うというのはどうですか?同僚を動かせばできます。ただ専務の体が心配ですが」

「本社はどんな感じなのかな?」

「専務は3度目の入院予定で、社長は大ぴらに退職の話をしています。専務の後釜争いになっているようです。最有力は不動産部長で課長連がべんちゃらをしていますよ。その旗頭が総務課長です」

「一度セットしてもらおうか?」

と言いながらこれでは持たないと体が悲鳴を上げています。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る