第65話集中できるように

女子社員と一度対談する場を持ちました。

私の見ている範囲では時間内はきっちり仕事をしているようでした。

「まず社長が1か月に1度くらいしか顔を出さない会社ってありますか?」

リーダー格が言いだすと、口火が切れたように訴えます。

今までに転職をした会社でも同じように不満がくすぶっていました。

まず汲み上げることからスタートです。

でも今の私は持久力がなくなっています。

「今の仕組みを作るのに1年はかかりました。全国の各ホテルのフロントと仲良くなってようやくです」

「社長から仕事の指示はなかったのですか?」

「時々来る支配人の話ではこの会社は急に親会社から話が来たので仕方なく作ったということです」

「ここにいた経理の人はもともと親会社にいた人でこちらに来たのですよ」

細切れに情報が出てきます。

「私と同じ出向でしたか?」

「いえ、首になったのを社長が拾ってきたようです。それで彼に会社の運営を任せたのです」

「あの人まったくやる気がないので、私達がやりました」

「その頃はすべて社長の別会社で経理が行われていたので、私達は余計な人材だったのです」

私は時計をそっと見ます。

不思議に2時間もトイレに行かないで持っています。

「少し時間をかけて話し合いたいのですが?」

問題は根深そうです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る