第40話ひと踏ん張り

目の調子は悪いです。

今日は社長の息子から頼まれて、明石まで車で購入予定のホテルを見に行きます。

「1時間ほどでトイレ休憩して」

とお願いしますが、どうしてと言うような顔をしています。

「この会社をどう思います?」

「ええ、よくここまで大きくしていたなと思いますが、まだ仕組みと言うのが出来ていない思います」

「父がワンマンだからですか?」

「いえそうではなくて、人ががついてきていませんね」

色々な会社を見てきましたが、よくここまで頑張ってきたと思います。

「専務をどう思います?」

「よく切り回してきたと思いますが、中身は結構危ないところがあります」

「今ホテルを任されていますが、自分ではとても心配しているんです」

本人は悩んでいるようです。

「ここの会社は足を引っ張るのが歴史です。気を付けてくださいよ」

何とかこの状態を維持して頑張りたいと思っています。 

「一度ホテル事業を見てください。親父はこれでいいと言いますが、不安なのです」

「どこまで協力できるか分かりませんが、いろいろ調べてみますよ」

相変わらず体調は変わりませんが、最後の仕事をしたいと考えています。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る