第25話痛み止めの錠剤
「今度マンションを買うから部長が銀行対策をしてください」
急に社長から朝告げられました。
専務は機嫌が悪そうです。
メインバンクから担当者が来ますが元銀行員というのは匂いで分かるらしいです。
応接室に入ると、
「専務から責任者が変わられてほっとしています」
どうやら専務とはうまくいっていないようでした。
「社長はいいんですけど、専務は知ったかぶりが多くて困っていたんですよ」
そういう私も何だかほっとしています。
今日は4度目の抗がん剤の注入の日です。
ひょっとしたら今日で最後かも!
そんな気持ちとは無関係に泌尿器科の医師は淡々と作業を開始します。
「間質性膀胱炎ではないのですか?」
痛みをこらえて質問をします。
「そんな言葉もあるのですな。取敢えずもう1回やって見て判断しましょう」
「ちょっと休むわけには?」
「それでは痛み止めの錠剤も出しておきましょう」
膀胱が破れるのではないかそんな不安にもなる異常な痛みです。
今日は会社に歩く元気もなくなっていてタクシーに乗り込みました。
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