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    第13話食事療法への応援コメント

    第12話に続いて、応援のコメントをさせて頂きます。

    『君の膵臓をたべたい』と言うアニメ映画が封切りするそうですが、今回はインスリンを分泌して血糖値をコントロールする膵臓では無く、血液から不要な成分を濾して尿として排出する腎臓の機能が低下する病気、腎不全の解説をさせて頂きます。

    @ybt04さんの御手記の中に『腎不全』と言う言葉が出て来ますが、この腎不全とは、文字通り、腎臓の機能が低下して血液の浄化が上手く出来無い状態を指します。

    腎不全は、大別して、一時的にその機能が急激に低下する急性、特に何もせずとも低下したままになる慢性がありますが、どちらにおいても腎不全が発症した場合において特に注意し無くてはなら無いのは、血中のカリウム値、そしてリン値です。

    特にカリウムは、食事などの内容を間違えると、高カリウム血症を併発して様々な危機をもたらすほか、具体的な自覚症状としては、強い吐き気などを催す危険があります。

    この事を具体的に申しますと、腎不全の方は、高カリウム食の代表格であるバナナの1本でも迂闊に丸ごと食べて仕舞うと、文字通り生命の危険があると言う事です。
    人工透析を受けている患者さんであれば、透析の前に、1本の3分の1程度までが許容範囲で、それ以上では危険です。
    もし万一、そう言った誤食をして仕舞った場合、数時間以内に病院に行って医師に相談する事が望ましく、吐き気の症状がもう出ている場合は、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。

    腎不全を発症する原因は様々ですが、遺伝的にそう言う因子を持っているか、何かの病気・事故等に起因し無い限り、成人病ですので、糖尿病や過剰なアルコール摂取等、そして加齢が原因で発症します。

    通常、高カリウム血症の場合、人体に反対の作用をもたらすナトリウムの投与で治療する事もありますが、どちらの成分も腎臓に負担が掛かるので、既に腎不全の場合には、どうしてもカリウムそれ自体を減らす低カリウム食の継続が必要です。

    この様な、低カリウム(そして低リン)食の継続を食事療法と呼びますが、一度低下した腎臓の機能が再び回復する事は稀ですので、基本的には慢性腎不全と食事療法、腎臓の機能が一定以上低下していれば、更に人工透析療法を併用する必要があります。

    慢性腎不全の根本的な治療法は、移植による他はありません。
    私としては、iPSやESなどの細胞技術が、今後、腎不全と人工透析と言う従来の腎不全治療のあり方を変えて行くと予想しています。

    漫画の『新・ブラックジャックによろしく』の序盤では、腎不全で透析を受けながら働いている看護師の話がありますので、皆さまもお読みになっては如何でしょうか?

    作者からの返信

    本当に詳しい情報に驚いています。
    私は上場手前で事件が起こり夢と財産を失いました。それでも何とか再起のきっかけに飛びついたのですが・・・
    そのどん底に急性胃潰瘍で救急車に運ばれました。そこで腎不全を宣言され膀胱癌も発見されました。
    それを追い撃つように懲戒解雇され3年に及ぶ長い労働裁判が始まりました。自分を励ますための手探りの日記でした。
    これを書き終えて人工透析しながら何とか・・・。
    でもまた急性胃潰瘍から胃癌が発見され胃を半分と取り、休んでいた小説もまた書き始めています。
    有難いメッセージです。     
               夢人


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    第12話膀胱温存療法への応援コメント

    初めまして、南雲 千歳(なぐも ちとせ)と申します。
    @ybt04さんの貴重な闘病記を読ませて頂き、癌と闘病される方の苦難に触れると、そのご回復を願わずにはいられません。

    さて、癌=悪性新生物は、身体を構成している莫大な数の細胞の一部が突然変異を起こし、通常の異常では無い細胞と無制限に増殖する様になったものです。
    癌細胞は、人間の細胞とはDNA(遺伝子)が違っている、人間とは異なる生物なので、見た目などの他、細胞を採取して検査してみるとそれと分かります。
    癌細胞の多くは腫瘍を形成するので、そうしたきちんとした塊になっていれば治療は容易い場合が多いのですが、全身に移動して仕舞うと、極めて治療の困難な病気です。

    こうした癌の生涯罹患率は50%を超えるので、誰しも他人事ではいられません。

    さて、膀胱癌の治療に当たって、抗癌剤を用いた化学(薬物)療法、重粒子線などを用いた放射線療法のほか、結核の予防接種などで著名なBCGを用いる療法がある事は、一般の読者の皆様には、意外な事実かもしれません。

    先に説明した通り、癌細胞はもはや人間の細胞ではありませんので、人体とは異なる異物として、自然に備わっている免疫システムがこれを攻撃します。
    無論、BCG投与などの免疫を高めるだけで膀胱癌を完治させられる確率は6割前後と、やや難しいので、手術での腫瘍切除や。その他の治療法も併用する事が好ましいのですが、この様な免疫システムの強化による癌の治療の事を免疫療法と呼び、化学や放射線治療に続く新しい治療法として普及しています。

    この辺りの事を踏まえながら、@ybt04さんの手記をご拝読させて頂ければ、より理解が深まるのではと、私としては考えております。

    それでは、@ybt04さんを心より応援しております。