【 オフェーリア 】

ナイフみたいな新月が

スカイの上で尖っていた


夜の帳は善も悪もなく

すべては欺瞞ぎまんに充ちてくる


くしゃくしゃに丸めた紙切れ

書かれていた言葉は


 『 さ よ な ら 』


たった一言の決別だった

嗚呼 黒猫が横切っていくから


口に咥えたハートが

ぽろりと落ちて


闇の天蓋てんがいふたりを包み

そのまま 魚のように眠る


ひたひたと 水に浸かっていく

白いオフェーリアの夢をみた

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