子離れできない親の悲しい現実

職場には、もうすでに「半人前」くらいしか働けなくなってしまった老人バイト(女性)がいます。

本来、自分の職場は夜のアルバイトが「三人」いないと回らないのですが、その人は「一人」の戦力にならないほど動くスピードも仕事のスピードも遅いというのが現実です。

自分が入る以前からいる人間で、入った当初は動きがちゃんとしていたらしいし、自分が入った時もまだ動けていたのですが、だんだんだんだん体調不良だなんだといって動かなくなり、他力本願の働き方になってしまっています。


どうも話を聞いていると、息子さんが多額の借金を抱えているか、負債になるようなお金の使い方をしているようで、それをカバーするために働いているっぽいのです。体調不良になっても「お金がかかるから行かない」と発言するあたりから、かなり経済的に苦しい事が予想されます。しかも、朝も別の場所で働いています。


そういった背景を考えると、手伝うのが親切です。が。

私にも限界があります。それに、老人バイトは時折他の店員と雑談ばかりしていることもあり、真面目かといわれたら微妙な部分もあります。そして、何より手伝いすぎると依存してさらに働かなくなります。匙加減が本当に難しいところです。むしろ、たかが一バイトの事で記事がここまで書けてしまうのは自分の優しさ故であるといえるかもしれないレベルです。


ただ、ドライになって考えると、です。

その方の息子は私よりはるかに年上ですし、もう社会人として生きていかなければならない現実があると思います。それは現実です。ですから、いつまでたっても親のそうした過剰な働きを必要としてしまうような状態というのはある種親に依存している部分が抜けきっておらず、また老人バイトのほうも親は親で子供が心配だからと自立させることができずにいつまでもカバーし続けてしまっているという誰も得しない循環があるように感じています。これを「共依存」というのですが、なかなかこのスパイラルに陥った家庭というのは難しい。熟慮の結果、「その日その日でベストを尽くして助けはするが過干渉はしない」という結論に至り、これからそういう立ち回りをしていこうと思っています。


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