感想戦にて

中学二年から高校一年生にかけて、およそ三年ほどチェスを本気でやっていた時期がありました。結局、根気がなく伸び悩み、チェスをやる環境が近くになかったことも熱を冷めさせる要因となり最近はほとんどささなくなりました。


まあ、エッセイを読んでくださってる方ならなんとなくわかると思うんですが私は明らかに頭脳で勝負する人間で、チェスにおいても中級者を時に驚かせる程度の手を打つことはある人間でした。しかし、主な活動拠点にしていたチェスサイトで自称自衛官の方(日本では強者の部類のチェスプレイヤーでした)と対戦し、途中まで互角の戦いをしつつもじりじりと追い詰められて負けたあとに感想戦(試合の感想を言い合う時間)で言われた一言が、今でも忘れられないのです。


「あなたの手は鋭い。しかし、目的がない」


相手のせりふはこうでした。要は、勝ちに行くために手をうとうとしておらず、受け身の手ばかり、守りの手ばかり打っているということでした。これ、性格もそうだけど、私自身の生き方も表してるよな、と自分でたびたび感じるものです。要所要所で鋭い事を言う、やる。だけど、結局人生で何がしたいのかとかというのがはっきりしてなくて、中途半端になる。


今でも考えさせられます。

主体性のないゆらゆらとした生き方というのは、当時から出ていたんでしょうね。そのくせ、プライドだけは高くて上級者の言う事は聞かないという、困った奴でした。

でもだからこそ、今はこうやって現実世界の一挙手一投足で「次の行動はどういう根拠をもってやるのか」ということを考えるようになりましたし、主体性を持って自分の人生を生きなければ、という方向に思いをむけることができるようになってきたとも言えます。なんでも失敗から学べますね。


どうでもいいことですが、その時使ってたサイトは今、ほとんど人が訪れない状態になっていて、当時知り合った多くのネット上の友人とはもう離れ離れとなってしまいました。なんだか、時の流れを感じて寂しいのですが、きっとこういうことを大人の人は繰り返してきたんだろうな、とも思います。話の終着点が見えてきませんが、私ってチェスからも人生を語っちゃうんですね。どえらい胡散臭さです。チェスは日本では流行る気配がないので、もっと普及してほしいな。などと思いつつ、今日も眠れない夜をしんみりと。

チェスのエピソードでは、出典元忘れましたがナポレオンが試合中に負けそうになった時盤ごとひっくり返したという話が好きです。彼、意外にチェス弱いんですよね。


因みにこの記事で通算50回です。いつも閲覧、応援ありがとうございます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る