共闘



♯10


円香(爆風をシュバルツで防いでもこの威力…。ダメだ…態勢を立て直さないと…!!)グググ...


カラス「そんな事させるわけないでしょう?」


ーーーーーー。


円香(……!!!)


シュバルツ「円香!!!」バッ!!


ドォオンッ!!


円香「くぁっ……!!」ドサササ...


円香(動きも…完璧に読まれてる…!!完全に相手のペース…まずったかな…)ハァ...ハァ...


シュバルツ「円香!!しっかりしろ!!」


円香(勝手に行動したツケが来たって感じ…。もうダメだ…。)


シュバルツ「おい円香!!」


シュバルツ(いつもの円香なら、まだ対抗策が練れるはず…!だが僅かな攻防だけで能力の穴を見破られた上に、相手が同胞の仇とあってか冷静さを失っている…!!)



本当は誰かに止めて欲しかった。





ただ本当にずっと幸せで過ごしていければと思ってた。

私が許せなかったのは私自身。


殺された私の幼馴染達。

痛くて、辛くて、その痛みを共有してあげられなかった。助けてあげられなかった。


ううん。その場に私がいたからといって何かできるわけじゃない。分かってる。


分かってた。


ただどうしようも納得できなくて、自分を頷けさせることができなくて。

私はこの道を選んだ。


お父さんと初めて喧嘩をした。お父さんに初めて心から酷い言葉を言ってしまった。


一番悔しかったのはお父さんのはずなのに。一番怒ってるのはお父さんのはずなのに。


お父さんは一言も何も言わなかった。


それは何故か知っているのに、それがまた私には不満で。


そんなお父さんの気持ちを汲み取ることも出来ない余りにも子供な私は暴走を繰り返した。


でも本当はね。誰かに止めて欲しかった。



…………いい人生だった。


せめて最後にお父さんとお母さんにごめんなさいって謝りたかったな…。




円香「今…いくね」


シュバルツ「くっ……!!」シュルルル!!!




ドォォオンッッッ!!!!!




カラス「……………君は……」



「ふざけんな…。勝手に終わらせてんじゃねぇぞ」


円香「…ぁ……ぁぁ……」



翔真「何もかも投げ出したような顔しやがって…。そんな顔するなら最初からやめとけっての…!」


円香「なんで…私を…。私なんかを…!」


翔真「復讐とか止めろとか言ってもどうせなんか難癖つけて止めないんだろ?」




ただ単に復讐をしろ、と言われると、この人は私の本当の気持ちを分かってくれてないと思ってきた。


でも簡単に復讐を止めろ、と言われても、軽い言葉が私の心を突いて、気持ちに拍車がかかるだけだった。


でも私を助けてくれたその人は…初めて聞くような言葉をくれた。


翔真「俺はお前と同じ経験をしてないから、お前と同じ気持ちは持てない。だから無責任に止めろなんて言わねぇよ。でもお前に復讐なんて似合わない。だから…


さっさとぶっ倒して、終わらせるぞ」


円香「…………!!!」


翔真「まだ戦えるか?」


円香「………」コクリ



カラス「驚きましたね。まさか私のあの攻撃を弾くとは」


翔真「お前がカラスか。どおりで中々いかにもって感じだぜ」


円香「気をつけて…アイツの攻撃はどこから来るか見えない…!」


翔真「え…見えないの?俺見えてたから撃ち落としたんだけど…」


円香「へ…?」


翔真「……そういうことか。東雲、奴の見えない攻撃は羽だよ。あいつ、能力使って羽隠してやがんだ」


翔真「見える羽に爆発効果を与えなければ、敵は『見えない爆発』って点だけに目がいくだろ?そうやって性能に差をつける事で、効果のついた同じ攻撃であるって事に気付かないんだよ」


円香「でもなんでそんな事…」


翔真「いや、この結果はでかいぞ。同じ羽での攻撃じゃない別の能力って相手に思わせるだけで、いくつ能力をストックしているのか、何か他の能力を隠してるんじゃないかってプレッシャーを与える事ができる。

なんせ命掛けの戦いだ。一手一手が死に直結するなかで、与えるプレッシャーは相当なものだぜ。」


カラス「………………」


翔真「お前が冷静さを失えば奴の思うツボだよ。流れを完璧に向こうが掴んでるんだからな」


円香「つまり私は…」


翔真「完全に奴のシナリオ通りに動いてたってわけだ。」



カラス「ほぉ…君が『眼』の持ち主ですね。事はシュトラスからの早馬で伝わってます。」メキメキ...


翔真「さ、生憎これ以上話さしてはくれなさそうだし、反省会は後だ


勝つぞ、東雲」


円香「うん……!!」

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