嘘愛 

紫陽花

第1章 偽装彼女

____俺には、誰にでも優しい彼女が居る。

 本庄 美雪。まぁ、本当の彼女だなんて思ったこともないけど。好きって言うから付き合っているだけ。どうせすぐ別れる予定の彼女(仮)ってやつ


   「直人!お待たせっ。準備に時間かかっちゃって...。ごめんね?」

   「全然。俺も来たとこ。行こっか。」


...そう。今日は、いわゆる偽装の休日デート。好きでもない奴の為に毎回金だして、記念日にはプレゼント。俺は、貧乏女に貢いでやってるわけ。本当お金に釣られるチョロい女だな。

   「ねぇ。今日は、どこ連れていってくれるの?海?水族館?動物...っん。」


愛のないキスで、ガキ並みにうるさい口を封じる。

   「黙れ。お前は、そんなガキのデートで満足する男とか思ってる?もっと、大人なデートもできないのか。これだからお前はつまんねーんだよ。もう、帰るわ」

   「ちょっ、ごめんってば。あっ、あそこ行こっ!ねっ?」

 

______薄暗い照明。ゆったりとしたBGM。ここは、設備も良いと噂されてるラブホテル。


   「あっ...。直...人。ちょっと、はぅっ....。」


ゆっくり、美雪に愛撫をする。俺の欲求を満たすための作業。体の相性はそこまで悪くはないけど、こんなゴミみたいな彼女(仮)に愛なんかミリ単位もない。

もうすぐで、3ヵ月か...。別れるのも時間の問題...。


   「な、直人...。イキそうっ!あんっ!らめっ!!!」

   「まだイクなよ?俺がこんなんで満足しないの、お前も分かるよなぁ?もっと喘げよ。おねだりしてみろよ。...俺と別れたくなかったら...な...。」


そっと耳元で囁く。今日が良ければ、どんな脅しを使っても構わない...。これで、美雪も俺を満足させられて...。充分だ...。チョロい女は使いやすくて....。


______チェックアウトが迫る....。あれから何度イッたのか。覚えていないけど、相当疲れて寝ていた。


   「おい。起きろ。もうすぐでチェックアウトだ。着替えるぞ。」

   「....んんっ。もう、そんな時間...?」


____♪~♪~


   「直人ぉ。ケータイ鳴ってるよ...。」

   「あぁ...。LINEだろ。..........っ!?」


″いつもの所で待ってるっ♥なおたんに早く会いたいっ! ″

″なおたん、いつ頃来れる? ″


   「美雪...本当にごめんっっ!!仕事入ったから急いで行かないと行けないから家まで送っていけない...」

   「仕事かぁ...。なら、仕方ないね。良いよ。」


もう、夜の9時を回っていた。美雪と解散して15分も経たないうちに待ち合わせ場所に着く。茶髪の二つ結びが揺れる。俺がプレゼントしたSamantha Thavasaの香水の香りが俺を包む。


   「お待たせっ!!!なおたんっ」

   

  

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