第6話 蛍の導き

何匹の蛍が大したもんではないではないけれど、群となった蛍は、話が別だ。


「蛍だ。きれい。」目覚めたブリーズは言った。

手を伸ばして、目の前の蛍を触れろうとしていた。


「あ!体は痛い。」ちゃんと見ると、自分の手足は包帯に包まれていた。自分が闘技場で、痛い目に合ってしまったことを思いついた。彼女は、ゆっくりと起きた。


蛍光の導きに従い、彼女はリンゴの部屋から出て、エルフの森で、歩いてた。森中心位置にある湖までにたどり着いた。


水面がピカピカしていた。全ての蛍はそれを回って、回って、まるで、この湖の下で、何かがあるように示した。


そして、ブリーズは深呼吸をし、潜り込んだ。


深く潜り込めば潜るほど、その神秘なる光はますます、強くなった。いよいよ湖の底にたどり着いた、その光の正体もようやくわかった。輝いている剣であった。


ブリーズは剣のそばに潜り込んだ。彼女は左手で、剣の柄を握り、光がさらに眩しくなって、力を込めて、抜こうとするつもりだが、一瞬で剣が抜かれたとは思わなかった。


不思議なのは、この剣は羽のように軽かった。

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