第25話ケープタウン海戦 後編

6月21日 1100 米国艦隊上空


1時間ほど送り狼をしていた私たちは直ちに位置を確認して送り狼をしている彗星艦爆に発光信号で知らせるとどうやら向こうでもわかっていたようで、既に暗号電文を艦隊向けに通電していたそうだ。

そして敵編隊は次々と敵母艦に着艦していたのを見ていた私たちは敵が粗方着艦したのを見計らって、様子を見ていた攻撃機の連中が着艦すると見せかけて次々と甲板を爆撃し甲板から登る火柱をみて私たちも駆逐艦に銃撃をし始めると。向こうも気がついたらしく護衛艦隊から猛烈な歓迎会をあじわうことになったわね・・・


で、逃げ惑っていると後方から多数の味方の大編隊が煙を目標に次々とおそいかかってきたわけで、私たちはそのままひきあげたわね。まあ、燃料も引き上げ分で精一杯だったりするからね。で、私たちは送り狼を終えて空母に戻ろうとするとどうやら私の方も燃料タンクをやられていたようで着艦寸前で突然エンジンが止まったので私は躊躇わずに緊急用レバーを引いて風防をとばし高度600なのでそのまま落下傘降下を選んだわね。で、ダージリンたちは無事に着艦したようだけど・・・。


そして私は近くのトンボ釣りに釣り上げられたわね。で、荷物のように信濃に送り届けられたわね。で、戦果の方は敵空母多数を血祭りにあげたみたいで3隻を沈めたそうだね。残り一隻もかなりの損害だそうだね。護衛艦隊の多数も大破、撃沈で敵艦隊の損害は8割以上とのことだね。で、こちらも加賀、赤城が着艦不可能ということで機材の大半を損耗したからこれは痛み分けということになるのかしら・・・。

そして艦隊は生存者を救助後一路ケープタウンへとむかったわね。

翌日ケープタウンの制空権下にたどり着いた私たちは信濃の船内の一室でそれをきいたわね。まあ、翼を失ったパイロットなんざ無用の長物というやつよ。

まあ、ダージリンや神尾隊長たちも皆無事だったのが幸いだったかな。ただ、乗っていた機材の大半は損傷が激しく飛行不能と判断されて海没処分になったそうね。

そして6月25日に艦隊は無事にケープタウンに入港したわね。


そして修理、補給をうけていたわね。で、私たちはイギリス空軍基地で出港まで基地周辺の哨戒飛行をくりかえしていたということになるわね。

そしてそれから2ヶ月後真冬の南半球の中を我々の艦隊は再びシンガポール目指して出発したわね。

まあ、出港後南緯40度前後の吼える海とはよく言ったもので連日の大嵐を久々に体験したわね。まあ、私たちは往路で経験したから比較的軽度ですんだけれどダージリン、オレンジペコたちは皆グロッキーになっていたわね。で、その嵐の中でも平然としていたのがローズヒップただひとりだけだったわね。

で、私が彼女に尋ねる。

「あなたこれだけ揺れる船の中でも随分平気ね」

「まあ、あたしは子供の頃にもっと小型の船で真冬の北大西洋のシケを乗り越えてきていたのでコレくらいの巨船での航行は平気ですよ。あたしの実家は元々フェロー諸島という貧乏な島暮らしで女だろうがなんだろうが家族総出で船に乗って鱈やら鮭を取って加工して生計をたててましたよ。ですが大嵐で船が難破して家族が皆死んじゃってね。その時あたしは怪我していたから船に乗らなかったけれどそれで孤児になっちゃってね。で、娼婦になろうかと思い家にあった有り金と家財道具全て売り払ってアバディーン行きの船にのってそしてロンドンへと向かったわね。で、そこで路銀が尽きて娼婦になるしかないなと思っていたら。どこぞの御大尽のお嬢様に見初められてそのままこの道にですよ。そういえばユキはなぜジャパンのアーミーに入隊したの」

と、ローズヒップの質問に私は答える。

「そうね。私も親がいなくて親族に穀潰し扱いされてね。で、私を娼館に売り飛ばそうと算段していたのをしって逃げ出すかと思ったときに兵隊募集の張り紙見て陸軍の入隊事務所に駆け込んで女性でも行けるのかと尋ねたら行けると言われて兵隊になったわね。まあ、その親族も大空襲で焼け死んだそうよ。まあ、これで独り身というやつね」

「そう。お姉さまも同じなんですね。どうです今宵は」

「一寸私の意志はどうなるのよ」

「ふふふ~。寒い夜には人肌が恋しくなりませんか。私も疼いてね~」

とまあ、そんな感じで口をキスで塞がれちゃった上押し倒されて下着姿にひん剥かれてちゃってね。まあ、お互い一夜の百合にのめり込んでしまっていたりするわね。


そしてカルカッタで補給してインド洋を南下してマラッカ海峡に入ってシンガポールに艦隊が入港したわね。

そしてイギリスの連中はシンガポールで降りて女王陛下たちはシンガポールで臨時政府を立ち上げ全世界にラジオ放送を行っていたようね。

そしてダージリンたちも女王陛下とともに付いていったようね。

で、私たちはそのまま帰国の途に付いたわね。




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