第26話遠征部隊は無事に帰国し戦争は終結する

1945年10月19日横須賀


ついに私たちは無事に日本の地を踏むことになった。ただ、アリューシャンから飛び立ったB29は関東地方にも少なくない被害を与えていたようね。みれば市街地はあちこち焼けていたからね。まあ、私が居た苫小牧は港町であり石炭の積出港だったから相当ひどくやられたようね。まあ、港湾機能はかろうじて残っていたそうだけど。


そしてイギリスの未完成艦バンガードは途中の呉に入港しそこのドックで空母に改装されることが既に決定済みだそうね。どう急いでも就役は数ヶ月後になりそうね。で、赤城、加賀も修理のために佐世保で修理が行われることになったわね。


私たちが乗った信濃は無事に横須賀に入港し私たちは検疫のために横須賀の施設で数日隔離され問題がないことがわかったので新しい衣服が与えられそれに袖を通し、私たちの部隊は移動用のトラックに乗って福生の飛行場へと移動したわね。


そしてそこで待っていたのは私が大尉に昇進と金鵄勲章の授与だったわね。まあ、それは神谷小隊長も同じくということになるのかな。そして私がイギリスで最後に飛ばしたJ7W局地戦闘機「震電」ジェット仕様のサンプルは直ちに技術本部に移送されそこで解析がおこなわれたそうね。まあ、それには整備班長の真田少佐も出向したそうね。で、同じく船団に乗っていたジョージビダン率いるジェットエンジン技師たちも開発技師として水瀬、如月、来栖川、三菱航空機、中島飛行機などに引き抜かれたみたいね。で、私は4月から出来た陸軍航空隊と海軍航空隊が統合されてできた大日本帝国航空軍に編入されそこで帝都の空を守る侍として迎撃任務についていたわね。

そうそう、ほかの皆さんについてもいわないとね。まあ、こちらに来た時に居たメンバーだけど藤井さんはイギリスで戦死したし智代は怪我したけれど末期に復帰して対地攻撃とケープ沖でも生き延びて少尉になったわね。


そして向井の姉御と菊池ちゃんもなんとか生き延びたみたいね。補充要員とはいえ生き延びれたのだからそれ相応の実力を持っていたということになるわね。



そして12月1日に世界が驚く事件が遠くの地で起こったわね。


ヨーロッパのナチスドイツの総統であったヒットラーが病死しドイツで内乱が起こったそうね。そしてアメリカでもルーズベルト大統領が急死し副大統領だったトルーマンに引き継がれたわけだけどその際に南部諸州のテロが起こってアメリカは分裂状態になったみたいね。


そしてここから先は政治的な話になるので私のような一回の軍人には関係なくなる話になるけれど、欧州のほうはデーニッツ達がドイツ国防軍を掌握しそしてそこでドイツのボンという都市に臨時政府を設立しそこでイギリス政府と日本政府に対して停戦交渉を持ち出しそして来る12月25日にドイツはイギリス、日本との停戦に踏み切ったわね。そしてアメリカ合衆国と連合国というふうに分裂し合衆国政府はサンディエゴに臨時政府を立ててそこで日本との停戦がせいりつしたそうね。

そして停戦文書の調印式が東京湾で執り行われることになったわね。

日時は2月11日だそうだ。

そしてシンガポールからエリザベス女王陛下とチャーチル首相が調印式に現れ、アメリカ合衆国政府の大統領であるアイゼンハワー大統領がドイツではデーニッツ首相が日本は吉田茂首相がそれぞれ休戦文書に署名をして戦争は集結となったわね。

まあ、東京湾にそれぞれの国の船やら飛行機が一堂に集まった姿は壮観だったといわれていたわね。


そして3月に私たち天使隊は解隊され私は航空技術廠のテストパイロットとして新型機の実験データを提供することになったわね。

で、水瀬隊長は大佐に昇進しその後統合参謀本部付の士官になったみたいね。で、神谷さんは高槻さんと婚約したそうよ。式は来年を予定しているそうよ。

で、向井と菊池のふたりは退役して故郷に戻っていろいろとやっているみたいね。

坂上智代も同じく私と同じような任務についていたみたいだけど、海軍の日高という高槻さんの相棒だった殿方と一緒になって早々と予備役になったわね。


まあ、そういう感じで時代はジェット機主体になり音の壁を誰が破るのかという話題になり、そして世界は新たな戦いのラウンドのためのインターバルにも思えたりするわね。



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