各章のあらすじをザクッと紹介(ひとまず第4章まで)

第1章 JKレイナの異世界における始まり。しかも他人の肉体で……

 第1章は、”JKレイナの異世界における始まり”の章となります。

 「”ここ”はどこなのですか?! それに私、超絶美少女の体の中にいるみたいなんですけど?!」と、ごく普通のJKレイナの混乱と恐怖を強調した章ですね。

 7人のヒーローたちのうちの3人、ルーク、ディラン、トレヴァーが登場します。

もちろん、本作において最強で最大の悪役である魔導士フランシスも姿を現し、マリア王女の魂の”残酷で身の毛がよだつ真実”もレイナは知ることとなります。



―1― レイナ、その肉体の死


・ 春。第一志望の高校受験に失敗したレイナは、不本意ながらに入学することになった第二志望の高校になかなか馴染めないまま、早くも2週間が経とうとしていた。

・ 兄やリア充クラスメイトの優しい言葉もあり、今の環境を受け入れて自分から周りに心を開いていこうと決意し始めたその翌日、レイナは朝帰りの飲酒運転の暴走車にグチャグチャに押し潰され死んでしまう。



―2― 閉じ込められた”私”


・ レイナの肉体は確かに死んでしまった。だが、彼女の魂は異世界におけるアドリアナ王国の女性魔導士・アンバーによって、第一王女マリアの肉体の中に呼び寄せられていたのだ。しかも、自分のすぐ近くには血まみれの男性の他殺体が転がっていた。

・ レイナは、アドリアナ王国の第一王子ジョセフと、(現代日本の常識からいえば怪しすぎる魔導士という職業の)アンバーより、「自分の魂が今入っているこの肉体がアドリアナ王国の第一王女・マリアのものであること」と「自分の本来の肉体はすでに滅んでしまったこと」を聞かされ、酷いショックを受ける。



―3― 北の町の3人の青年たち


・ ”酷いショック”という2つの単語の組み合わせでは表現できないほど、惨すぎる堅実にわずか15才のレイナに直面していた。軟禁された城内の一室に手、恐れ、嘆き、苦しみ、泣き叫び続けていたレイナの所に、顔半分が焼けただれた少女が刃物を手に襲撃してきた。

・ 襲撃者の少女から発せられる本物の殺意より、滅茶苦茶にもみ合いながら逃げようとしていたレイナは、突如、”眩しい光を発し”マリア王女の肉体ごと、城内より消失してしまう。

・ 魔導士でもないレイナが飛んでしまったのは、アドリアナ王国の最北に位置するデブラの町であった。ルーク、ディラン、トレヴァーの3人のヒーローの登場。レイナは雪の中で気を失っていたが、偶然にもルークとディランに発見され、彼らが泊まっていた庶民的な宿の一室に無事に保護されることに。



―4― 本当にわずかな間の安らぎ


・ レイナを保護したルークたち3人であるが、明らかにレイナは何かヤバいことに巻き込まれていると勘づいている。そして、(以前に彼は前に”マリア王女”を見たことがある)トレヴァーは、レイナがマリア王女ではないかと……

・ その話の最中に彼らは突然、面識もない宿の客の青年(次話で分かるがこの青年は”マリア王女に”身も心も奪われた人形職人のオーガスト)に飲み残しの酒をぶっかけられ、あわや一触即発の雰囲気に。

・ その頃、レイナはサブタイトルにもある通り、一時的にではあるだろうか、レイナはこの世界に来て初めて「本当にわずかな間の安らぎ」の時間を得ていた。この時、宿にて彼女の世話をしてくれたのは、主要人物の一人である平民の少女・ジェニーである。だが、その安らぎの時間は早くも終わりを告げようとしていたのだ。



―5― 魔導士・フランシス


・ 明らかに魔導士の力を持つ者からとしか思えない襲撃の始まりに、抱き合って震えていたレイナとジェニーの前に、襲撃者がその姿を見せた。サブタイトルにもある通り、”魔導士・フランシス”の登場。

・ けれども、レイナはフランシスの顔に見覚えがあった。「―2― 閉じ込められた”私”」にて、レイナが初めて城内で目を覚ました時、すぐ側で血まみれの死体となってフランシスは転がっていたはず……しかもそれだけではない。彼の傍らにいたのは、”本物のマリア王女”であったのだから。

・ フランシスの力によって、宙へとつるし上げられたレイナはその肉体から追い出されようと――つまり、フランシスは肉体の本来の持ち主であるマリア王女の魂を肉体に戻そうとした。ちなみに、マリアの魂が今、入っている肉体はオーガストが作った人形の体である。

・ その時、魔導士でもないヒーローたちが、無謀にもレイナとジェニーを助けようとする。そして、首都シャノンからも消えてしまったレイナの行方を捜し続けていた魔導士アンバーと王子ジョセフが瞬間移動にて駆け付けたのだ。



―6― 断言されし”勝利”


・ 余裕綽々で不気味なフランシスと睨み合うジョセフ&アンバー、そして同じく瞬間移動で駆け付けた魔導士カールとダリオたち。けれども、余裕ぶっこいている態度を崩すことのないフランシスは、自国の王子であるジョセフに敬意(?)を示し、一時退却を表明。ということはもちろん、レイナもなんとか無事に助かった。

・ フランシスが一時退却した後、突然に、不思議な美少年が眩い光とともに登場する。なにやら、この美少年・ゲイブは、アポストルという人智を超えた存在の使いであるらしい。彼が持ってきた手紙には、「フランシスとの決着つける戦いの場に(偶然にこの場に居合わせただけの魔導士でもない)3人の平民、ルーク、ディラン、トレヴァーを同行させよ」ということとが書かれていた。そして少年は言う。アンバーが「いずれこの世を守る大きな存在」になると……



―7― そして、アリスの町へと……


・ 来たるべきというか、決着をつけなければならない魔導士フランシスたちとの戦いに備えて、レイナはジョセフとアンバーに連れられ、デブラの町から近くのアリスの町へと移動することになった。

・ この移動には、本人たち自身も訳が分からないまま、(やがて英雄となるらしい)ルーク、ディラン、トレヴァーの3人のヒーローたちも同行してした。

・ ちなみにこのアリスの町のお城は、第3章にて出会うこととなるヒーローの1人、ダニエルの生家でもある。ダニエルの超美人ママの迫力にレイナはビビってしまっていた。



―8― マリア王女について(1)


・ サブタイトルにある通り、”マリア王女について”――「彼女の魂の真実」と「自分の魂がこの世界にいざなわれることになった経緯」について、レイナはジョセフとアンバーより聞かされた。

・ 王女・マリアは、単に性格が悪いなどといった次元を飛び越えるほどのサディストでニンフォマニアな人格破綻者の人殺し(それも複数の人間を殺したらしい)であったことを知る。城内で襲撃してきた顔半分が焼けただれていたあの少女も、マリアの被害者であったのだ。



―9― マリア王女について(2)


・ マリア王女についての回想はまだまだ続き、ついにレイナの魂がこの世界にいざなわれた”あの夜”のことへと……あの夜、アンバー含む魔導士たちは確かにフランシスを倒し(事切れた血まみれのフランシスの姿をレイナもしっかり見て大絶叫している)、マリア王女の肉体から彼女の魂を追い出したのだ。

・ それにも関わらず、フランシスは生者として再び姿を表し、本来の肉体から追い出されたマリアの魂もオーガストが作っていた人形の体の中へとフランシスの力によって、奴の保護下に入っていたのである。

・ そして、レイナは、自分自身が確固たる理由によって選ばれ、異世界に呼び寄せられたわけでもなんでもなく、”単なるタイミングの問題”で自分の魂がマリア王女の肉体に入ってしまっただけであったとも理解した。



―10― ジョセフとアンバー(1)


・ ジョセフとアンバーが互いに口には出さないものの、互いに抱いている信頼や絆、そしてともに紡いできたであろう時間。それは、自分の魂がこの世界に誘われることに至った一連の流れを再整理している最中であるレイナにも伝わってきていたし、ジョセフの側近である魔導士カールとダリオの会話(をレイナは盗み聞きしてしまっていた)からも分かることであった。

・ アポストルからの伝言では、”いずれこの世を守る大きな存在となるアンバー”。レイナは思う。「もしかしたら、アンバーさんがこの王国の王妃となり、ジョセフ王子とともにこの王国を治めていくということを暗示しているのではないか」と。



―11― ジョセフとアンバー(2)


・ 次章に控えている戦いの前の、ほんの小休止ともいえる時間の描写はまだ続く。レイナはルーク、ディラン、トレヴァーに、デブラの町で雪の中に倒れていた自分を助けてくれたお礼を伝えることができた。このアリスの町の城の中にて、付け焼き刃の猛特訓を受けていた彼ら。人外の能力を持っているわけではないが、彼ら3人とも元々の身体能力はなかなかに優れているらしく、充分に人並み以上であるらしかった。

・ いよいよ、フランシスとの決着が次の日に迫った夜、レイナはアンバーと2人だけで話をすることに。レイナはアンバーの夢「ジョセフ王子が王となったその傍らで、この命果てるまでこの王国に身を捧げること」を聞く。またしても、魂の奥底で深くつながっているジョセフとアンバーの深い絆を感じずにはいられなかったレイナ。あとたった1日だけの安らぎを残す、アリスの城は深い闇へと包まれていき始めた……

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