第18話 米軍反攻によりマリアナ危機となる


山本長官の戦死以後陸軍も海軍もズルズルと戦力をすりつぶされて行ったわね。特に輸送船の被害は無視できないほどの損害となっていたわね。で、それの護衛に水雷戦隊が投入されるも逆に潜水艦のご飯になってしまったという情報が入ってきたわね。

そして連合艦隊の皆さんは後生大事に大和たちを保管していたわね。そして後で聞いた話だとい号、ロ号作戦で貴重な空母搭乗員を無駄死にされたそうね。損害は艦爆、艦攻隊が6割以上だそうね。これは事実上の壊滅ですよ。で、第二航空戦隊に至っては司令部まで喪失という体たらくだったそうね。そしてタラワ・マキン島に米軍が上陸しわが軍も救援に向かうも結果的には失敗に終わったわね。それに加えてトラック環礁に米機動部隊の攻撃により多数の艦船と高速タンカーや輸送船の喪失が大きかったわね。

それに伴って内地で航空隊の訓練ができず。で、シンガポールなどでは燃料はあるけれど機材がないという笑えない状況に追い込まれつつあったわね。

まあ、海上護衛を怠ったというのと石油確保のためのタンカーの拡充、港湾施設の貧弱さとまあ、やるべきことはたくさんあったがそれをすべて見なかったことにして艦隊決戦に一本化した海軍の阿呆どもにはあきれるばかりですね。

いえ、これも私が対馬沖で東郷閣下たちを殺さなかった報いなんでしょうね。これは釘宮議員が見た予知夢が現実となりつつあるようです。


そしてとうとう恐れていたことが現実となりました。昭和19年6月遂に米国機動部隊はマリアナ侵攻を開始したそうです。それに応えわが軍も基地航空隊を出すも被害が続出し相手にはほとんどダメージを与えられずでした。

そして連合艦隊はタウイタウイ泊地からマリアナに向けて出撃となりました。そしてそのころ連合艦隊旗艦は大淀という巡洋艦に決まり、大和、武蔵は連合艦隊旗艦から外れ第二艦隊所属となってます。まあ、かつて山本長官が提唱した空母を主体とした機動部隊となりますが、この編成が開戦時に編成となっていればミッドウェーの体たらくもあるいは・・・。いえ。それはせん無き事。今はですね。

そして木更津沖に停泊中の大淀を中継として海軍は指揮を執っております。

大鳳という新造空母が就役し上層部はとても期待をかけているようですが、私も彼女たちが無事に戻ってくることを祈るばかりになりましょう。


そして6月20日の午前に大鳳を旗艦とした第一航空戦隊と隼鷹、飛鷹を主体とした第二航空戦隊、瑞鳳を主体となる第三航空戦隊合わせて400機以上の大編隊が出撃となりました。

そしてその日の午後に第一航空戦隊たちからの連絡が入り艦載機の被害甚大、大鳳、翔鶴大破炎上という情報が入ってきました。そして敵に与えた損害はエセックス級空母一隻小破、駆逐艦数隻撃沈という散々な有様でした。のちにその海戦で飛んでいた高槻という士官と話をしましたが編隊飛行も満足にできないくらいの腕の持ち主の操縦員たちが何もない海上を片道400カイリ以上飛び攻撃というトンデモナイ内容だったそうです。そして米軍サイドもお馬鹿ではないのでそのような長距離から飛んでくる編隊は電波探信儀レーダーにより編隊を察知され艦隊旗艦による統制による迎撃機や新型弾頭搭載の高射砲や40mm機関銃の雨あられで皆やられたそうです。

そして大淀が言う。

「空母機動部隊壊滅です・・・。この海戦の結果は敗北です。そしてサイパンなどのマリアナ諸島の陥落は時間の問題となりました」

私は答える。

「そうですか。つまり、いよいよ。本土に新型の敵重爆撃機による空襲が本格的に開始されるのも時間の問題ということになるわけですね」

「その通りです。おそらく私も連合艦隊旗艦は外され。司令部は地上で指揮を執るようになるでしょうね。むしろ遅すぎたとも言えましょうが・・・」と大淀が言う。

私も答える。

「そうですか」

そして大淀は撤退命令を下し艦隊は皆それぞれひきあげていきましたね。

そして戦局は悪化していきましたよ


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