真夜中の遊園地

 たかしくんは真夜中の遊園地に忍び込むことにしました。


 真夜中の遊園地だ!


 真夜中の遊園地です。メリーゴーランドがあります。


 真夜中のメリーゴーランドだ!


 コーヒーカップもあります。


 真夜中のコーヒーカップだ!


「真夜中のコーヒーカップにコーヒーを注ごうよ。」


「はい。わかった。」


 たかおくんの提案をたかしくんが聞き入れました。眠気覚ましに持っていたコーヒーをコーヒーカップにかけよっと。柵を乗り越え、コーヒーカップにコーヒーを注ぎます。


 ちょろちょろちょろちょろ


 しかし、とてもコーヒーカップの大きさには達しません。


 コーヒーカップは汚れました。


「拭けよ。」


 とコーヒーカップが言いました。


「ひぃっ!!ごめんなさいーっ!!」


 コーヒーカップが怒ったのでたかしらは驚きましたが、なぜ怒っているのか。


「コーヒーカップの役目はコーヒーを淹れることだから中身がコーヒーで汚れても問題ないのではないか。」


 と、たかしの仲間のたかこが言いましたが、それはおかしいとたかしですら思いました。


「このコーヒーカップはコーヒーを飲むためのコーヒーカップではなく人間を乗せて回すための遊園地のコーヒーカップだからそれは違うのではないか。」


 とたかしは言いました。


 確かにその通りだ。


 とたかこも思いました。そして、言いました。


「確かにその通りだ。」


「拭けよ。」


 とコーヒーカップは言いました。しかし誰も布を持っていない。


「雑巾を買ってこなければいけないのではないか。」


 とたかおくんがいい、近くのコンビニに向かって駆け出しました。


「助けてー!!」


ブンブンブーン!!


その途中誘拐されてしまいました。なぜ誘拐されたと思うかというと、「助けてー!!」という声の後にブーンと車が走り去ったからです。


「大変だ!!誘拐されてしまったよ!!」


「コーヒーカップ!!助けてよ!!」


 たかしくんが言いました。


 ズボッズボッ!!


 コーヒーカップの底から足が2本生えました。


 ズボッ!!ズボッ!!


 両脇から手も二本生えました。


「ひぃっ!!化け物だー!!」


 コーヒーカップは驚くたかしくんたちの声を無視し、走り始めました。すごい速さです。


 ズォォォォォオオオオオオオオオオッ!!


 ドガーン!!


 車が凹む音がしました。


「アヒィーッ!!」


 コーヒーカップは帰ってきました。中にたかおくんを乗せて。


「あああ、ありがとう!!コーヒーカップ!!」


 みんなで感謝しましたがコーヒーカップは転びました。


 パリーンッ!!


 割れました。


「接着剤を買ってこなければいけないのではないか。」


 たかおくんは言いました。


「誘拐されるからもう行くな。」


 みんなで止めました。コーヒーカップはそのままにしておきました。


 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る