たかしジュニア

 たかしの息子、たかしジュニアは3歳。体が全部プラチナで出来ていて、10mで3トンあった。


「パパ〜!!僕、チャイルドシートに乗りたいよー。子供だから、チャイルドシートに乗りたいよー。」


「お前にはまだ早い!!」


 たかしはたかしジュニアを叱りつけた。


「ええ〜そんな〜。どうすればチャイルドシートに乗れるかなー??」


「お前は重すぎる!!ダイエットしなさい!!」


「わかったよ〜。」


 たかしジュニアは減量のため体を構成するプラチナをヘリウムに入れ替えた。たかしジュニアは体を膨らませながら宙にぷかぷか浮いていく。


「たかしジュニアー!!」


 たかしの叫びも届かない。


「お父さん〜。構成する原子を全部入れ替えた僕ってほんとに僕なのかな〜!!」


 そう言いながら、たかしジュニアは宙に拡散していったのであった。


 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る