自動車工場で働く私

 ブィイイイイン!!ブィイイイイン!!


 私は今日も工場で働いている。一生懸命、自動車を作っている。汗水垂らして。毎日八時間。ああ、充実した毎日、素晴らしい日々だ。なぜこの仕事を始めたのか。なぜこんなに、自動車製造に夢中になれるのか。なぜ情熱が尽きないのか....。そう、忘れもしない、あの日の事......。


 ウーウーウーウー、ウーウーウーウー


 救急車が走り去って行く。


 ウーウーウーウー、ウーウーウーウー 


 きっとこの近くに病気で大変な目に遭っている人がいるんだろうなあ。もしかしたら今運んでいる最中かもしれない。大変だなあ。頑張って欲しいなあ。救急車、頑張って欲しいなあ。頑張ってよ救急車。


 救急車は特別な車です。ですのでまあ、赤信号も無視します。


「信号は、赤だ!!」


 ウーウーウーウー、ウーウーウーウー  


 救急車は無視して進みます。流石だ。すごいや、すごいや。特権階級なんだよ、救急車は。特殊能力を持ってるんだよ。ははははは。


「ふざけるな!!」


 ピーーー、ドガーンッ!!


 何が起きた....。ジュウジュウジュウ、残骸から黒煙が上っている......。悪夢だ....。ああ、無視されたことに腹を立てた信号機が破壊光線を撃ったのか.....。救急車は木っ端微塵に......。


 信号機の破壊光線に負けない立派な自動車を作ってやる.....。私の心に火を灯してくれたのは、あの信号機だったのだ。


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