忘れ物

 ああああああ、学校に忘れ物をしてしまった。大変だ、大変だ。明日提出の宿題なのに。先生に怒られちゃう。大変だ、大変だ。学校に取りに行かなくちゃ。


 スタタタタ、スタタタタタタタ


 スタタタタタタタタタタタタタタタ


 スタンガン!!


 ゔっ!!


 バタリッ


 目を覚ますと、体が動かない。縄の感触、四肢が拘束されているようだ。困ったな。困ったな。


「ぐっへっへ、たかしくん。」


 こ、この声は、たか子先生!!


「たかしくん。捕まったわね。宿題を取りに来ると思ってここで見張ってたのよ。ぐっへっへ。あなたを人質にして、お金を要求しちゃうわ。」


 なんて悪人。酷いやつだ。


「ふっふっふ。ふっふっふ。はーっはっはっ!!はーっはっはっ!!はーっはっはっはーっ!!」


 たか子先生は高笑いしています。


「ううっ!!どうしよう。どうしよう。そうだ!!」


 ムキムキムキーッ!!


 びりびりーっ!!


 私はマッチョパワーを解放し、縄を引きちぎりました。


 びりびりーっ!!


 なわーっ!!


 縄がびっくり、なわーっ!!


 縄はびっくりして、逃げていきました。


「縄がびっくりするなんて〜っ!!なわーっ!!」


 タタタタタターッ!!


 縄がびっくりしたことに驚いたたか子先生も逃げて行きました。私は無事、忘れ物を手に取り帰ることができたのでした。


 完

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