パンダ

「新型ララウィルスが日本にも上陸してしまいました。現在の公式発表では、日本における感染者は1563名です。皆さん、注意しましょう。」


 ニュースキャスターがいいました。


「パンデミックに注意ですね。」


「パンデミックに注意だー!!」


「パンデミックに注意!!注意注意〜♡!!」


 みんな周りの人に呼びかけています。勿論ウィルスの感染を恐れてマスク越しに伝え合っています。


「パンデミックに注意〜☆☆」


「注意注意〜☆」


「注意ダゾ♡」


 ノソノソノソ


 あ、パンダ・ミッ君が来ました。白黒パンダの、ミッ君です。可愛い、可愛いミッ君です。


「お、パンダ・ミッ君だ。パンデミックと似ているぞ。危険かもしれない。」


「危険だ!!危険だ!!」


 人々がパンダ・ミッ君から離れていきます。どんどんどんどん、離れていきます。


「ピピー!!違いまーす!!パンダ・ミッ君はパンデミックとは違いまーす!!別でーす。関係ありませーん。風評被害でーす!!」


 可愛い女の子が元気よく言いました。元気がいいなあ。元気がいいなあ。


「お、そうなのか。これは悪かった。ごめんよ。ごめんよ。」


「すまなかった。すまなかった。」


 みんな、謝ります。素直でいいですね。素敵です。素敵です。


 その時です。


 ガブッ!!


 パンダ・ミッ君が女の子の頭を食べてしまいました。


 ムシャムシャムシャ


 パタリ


 人形みたいに倒れる、首無し女の子。


「パンダ・ミッ君に注意だぜ。」


「パンダ・ミッ君に注意だ〜!!」


「パンダ・ミッ君に注意、注意〜☆」


 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る