わたかし

 ワイワイガヤガヤパオッパオー


 ワイワイガヤガヤパオッパオー


 今日は文化祭。文化祭です。みんな、賑わっています。隆くんもワクワクしています。


「あ、あっちで輪投げをやっている。あっちはお化け屋敷だ。すごいな、すごいな。お、綿菓子が売っている。買いたいな、買いたいな。」


「あ、すみません。綿菓子一つください。」


「はあい、わかりました。」


 受付に座っていた女子高生が対応します。


「はい、どうぞ。」


「わあ、ありがとう。」


 ピンク色で、美味しそうな綿菓子だな。早速食べよう。


「ぱくっ。」


 ん、んんん、おかしい。おかしい味がする。これは、、わたかし、わたかしの味だ。


「すっすみません。これは、綿菓子ではなく、わたかしではないですか???私は隆です。隆にわたかしを出すなんて、、、共食いですよ!!どんな神経してるんだ!!」


 きれる、隆。


「えっ、、あ、ほんとだ。ご、ごめんなさいいぃぃぃいい。」


 大変なことになりました。隆くんにわたかしを提供したのですから。全校集会です。


「ええ、大変なことが起きました。三年四組が、お客さんとして遊びにきていた隆氏にわたかしを出しました。」


 えぇっ、、なんだって、、、そんなばかな、、


 ザワザワザワザワ、ザワザワザワザワ


 騒然とする体育館。


「うぅ、ごめんなさい。ごめんなさい。うちの生徒たちが、、ごめんなさい。ごめんなさい。」


 涙を流して謝るたかお先生。


「ごめんなさい、ごめんなさい、、。」


 学級委員のたか子さんも涙を流しています。


「確か、たかお先生は朝顔を栽培する時間にわたかおを栽培しており、問題になっていましたよね。また、、また同じような問題を起こして!!反省する気はないのですか!!」


 怒鳴り散らす校長。


「うぅ、、本当にごめんなさい。本当にごめんなさい。」


 涙を流し続けるたかお先生。


「あのお、ちょっといいですか?」


 里子先生がちっちゃく手をあげました。


「なんですか、里子先生?」


 イライラしながら聞き返す校長。


「はい、、隆くんにわたかしを提供することの、何が問題なのでしょうか?共食いにより、戦闘能力を高めることも可能なのですよ?」


 里子先生が言いました。


 確かに、、、確かに確かに、、何が問題なのだろう。


 ザワザワザワザワ、ザワザワザワザワ


 再びザワザワし始める人々。


 ドドーーーーンッ!!


 突然の爆発音。なんだ、なんだこの音は。見ると、そこには隆君が。隆君が、人を、吹っ飛ばしている。


「ゼハハハハ!!三年四組、ありがとよ。おかげで圧倒的パワーを入手することができたぜ。ゼハハハハ!!ゼハハハハ!!」


 ドドーーーーンッ!!ドドーーーーンッ!!


「だ、だからダメなのよー!!!」


 に、にげろーーー!!


 世界は、隆くんに支配されたのであった。


 完

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