うんきょ

 ぶ


 ぶりぶりぶり


 右京君はトイレの個室に入っています。


 ぶりぶりぶり


「ヤー!!ヤー!!右京君がうんこしているぞ。右京君がうんこしているぞ。」


 隆くんが右京君を揶揄っています。愚かですね。残念ですね。かっこ悪いですね。頭が悪いですね。


 ぶりぶり、ぶりぶり


 ぶりぶり、ぶりぶり


 ふきふき、ふきふき


 ふきふき、ふきふき


 ジャーーーーーー!!


 満を持して、右京君が出てきました。


「満を持して、出てきました。」


 右京君がいいました。余程スッキリしたのでしょうね。素敵ですね。堂々としていますね。健康的ですね。かっこいいですね。


「ヤー!ヤー!右京君、学校でうんこをしていましたね。学校でうんこをしていましたね。」


 隆くんはここぞとばかりに揶揄います。本当に愚かですね。どうして、生きているのでしょうね。地獄に落ちるのでしょうね。視界に入れたくないですね。


「いいえ、私はうんきょをしていました。」


 ん、右京君が言いました。うんきょをしていたと言いました。ということはうんきょをしていたのですね。かっこいいですね。流石ですね。イケメンですね。


「本当ですか?うんきょをしていたのですか?」


 隆くんが尋ねます。こればかりはもっともな疑問ですね。本当なのでしょうか?本当にうんきょをしていたのでしょうか?私もちょっと全面的に信じることはできない。


「本当にうんきょをしていました。」


 右京君が答えます。本当にうんきょをしていたのですね。これは驚きですね。右京君が本当にしていたというのだから、していたのでしょうね。驚きですね。びっくりですね。


「本当かなあ。本当にうんきょをしていたのかなあ。」


 隆くんはいまだに疑っています。隆くんらしいですね。ねちっこいですね。まあ、でも気持ちは分からなくもないですね。本当なのでしょうか。本当に右京君はうんきょをしていたのでしょうか?


「先生に聞きに行きますよ。いいですか?」


 隆くんは遂に先生に聞きに行くことにしました。なんということでしょう。職員室に行くのでしょう。不思議な決断力ですね。サボテンですね。


「いいですよ。先生に聞いてみましょう。担任の里子先生に聞いてみましょう。」


 右京君も応じました。かっこいいですね。男らしいですね。ついて行きたくなりますね。理想の男性像ですね。


 トントン、失礼します。里子先生に用事があってきました。


 トコトコトコトコ


「あら、どうしたの。隆くんと右京君。」


 里子先生は問いかけました。何があったのか、不思議そうです。普通、一人で来るものですものね。おほんおほん。


「あの、右京君がトイレでうんきょをしていたと言っていましたが、本当ですか?」


 隆くんが単刀直入に聞きました。素敵ですね。こういう時の隆くんは素敵です。惚れ惚れしてしまいますね。ほんとほんと。


「本当です。先程右京君はうんきょしていました。」


 里子先生も単刀直入に答えます。すごいですね。きっとこの世の全てを知り尽くしているのでしょうね。参ってしまいます。恐ろしさすら感じますね。


「ただね右京君。学校でうんきょをしてはいけません!!」


 ズガーーーーーーン!!!


 右京、ショーック!!


 完

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