ジャングル探検

 ズンズン、ズンズン


 ジャングルを進んでいく。列をなして進んでいく。


 ズンズン、ズンズン


 私の前には隊長、副隊長。立派なヘルメットを被っている。二人ともベテラン。おじさんベテラン。50歳と40歳。私は20歳。大丈夫。彼らについていけば大丈夫。


 ズンズン、ズンズン


 薄暗い道を進む。木々が生い茂っている。虫たちがさざめく。アナコンダは挨拶している。


「アナコンニチハ。」


「あなこんにちは〜。」


 挨拶を返す。


 ひょろひょろ!!がぶっ!!


 ぎゃあっ!!


 ごっくん!!


 あっという間に隊長が食べられてしまった。


「し、しまった!これは罠だったのだ!アナコンダは餌を見つけるために所構わず挨拶していたのだろう。うっかり返してしまったために、場所がばれ..」


 がぶっ!!


 ぎゃあっ!!


 ごっくん!!


 副隊長も食べられてしまった!!ああ、次は私。私だ。怖くて動けない。


 ブルブルブル、ブルブルブル


 ブルブルブル、ブルブルブル


 こんなところで死にとうない。こんなところで死にとうない。死にとうない。死にとうない。


 アナコンダは今にも飛びかかってきそうだ。


 死にとうない。死にとうない。


 ドドドドドドドド.....


 後ろから何か地響きのような音が。


 ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!、


 どんどん大きくなってくる....。


 ドドドドドドドド


「トロッコンニチハ〜〜〜!!!」


 トロッコだ!!謎のトロッコが助けに来てくれたのだ。


「アナコンニチハ。」


 アナコンダがトロッコに挨拶を返している隙に乗り込む!!


 ドドドドドドドドド!!ドドドドドドド!!


 トロッコは進む。トロッコは進む。


 ニョニョニョニョニョニョニョ


 アナコンダは追ってくる。


 ドドドドドドドドド!!ニョニョニョニョニョニョ!!


 アナコンダ、速い!!アナコンダ、速い!!


 大変だ!!このままだと追いつかれてしまうぞ!!


 ドドドドド!!ニョニョニョニョニョ!!ドドドドド!!ニョニョニョニョニョ!!


 追いつかれる!!死を覚悟した、その時!!


「ぽんぽこんにちは、ぽんぽこんにちは。」


 この挨拶は、たぬき!!どこから現れたのか、大量のたぬきたちがアナコンダに挨拶を浴びせています!!


「アナコンニチハ、アナコンニチハ。」


「ぽんぽこんにちは、ぽんぽこんにちは。」


「アナコンニチハ、アナコンニチハ。」


「ぽんぽこんにちは、ぽんぽこんにちは。」


 アナコンダは挨拶を返すのに精一杯。一気にスピードが遅くなった。


 ありがとうたぬき、さようならたぬき。ぽんぽこんにちは、ぽんぽこんにちは。

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