ガタガタオフィス

 ガタンゴトン、ガタンゴトン

 朝の満員電車に揺られ、職場へ向かう人々。だが私はそんな苦痛を味わうことはない。なぜなら電車がオフィスだから。我が社は毎朝8時に最寄駅に迎えにきてくれるのだ。


「おはようございます。」


「やあ、おはよう。」


 駅を通過するごとに社員は増え、社内は活気付いていく。電車の椅子の前には机があり、移りゆく景色を向かいの窓から見ながらコツコツ仕事をするのだ。退社するときも最寄駅まで送ってくれる。本当に便利だ。


 ウィーン


 トコトコ


 ガシャーン


 普通の線路を走っているため時々間違って普通の人が乗ってくる。そういう時はその人に銃を突きつける。


 カチャリ


「な、何や突然。な、なにするのよーー!!」


「ここで会ったが100年目。貴様は一日我が社の職員となり働かなければいけない。脳みそをパッパラパッパラされたくなかったらなあ!!」


「そ、そんなあ。今日はおばあちゃんの火葬だったのに。ひどい!!ひどいわ!!でも、やります。なぜなら脳みそをパッパラパッパラされたくないから。」



 椅子に座らせ、仕事をさせるのだ。そういうところも効率がいい。私がこの仕事を好きな理由の一つだ。より多くの人と仕事をすると一人が負担する量が減るからね。


 しかし、この前脅して一緒に仕事をした方がこの会社を訴えたらしいので、多分明日あたり潰れる。残念でしたー。


 完

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