流れ梅干し

「今夜は流れ梅干しがみられるでしょう。それではみなさん、御機嫌よう。」


 テレビの中で気象予報士が言いいました。お茶の間でちゃぶ台を囲んで見ていとある核家族。


「すごいよ!お父さん!!流れ梅干しが見れるなんて。そんなの見たことない!!ねえ、今日は夜遅くまで起きていていいでしょう。」


「ああ、流れ梅干しなんてお父さんも見たことないぞ。今日は一緒に流れ梅干しを観測しよう。ほら、お母さんも!」


「うふふ。楽しみねえ。」


 その晩、家族は屋根の上に一晩中座って流れ梅干しを観測しようと頑張りました。隣の家の核家族も同じように、その隣、後ろ、前、とにかくほとんどの核家族が同じように観測しようとしていました。


「お母さん、まだかなあ。」


「.うーん、おかしいわねえ。」


「いや、流れるさ、きっと、きっと。」


 そんなことを言っている間に朝になってしまいました。


「見られなかったあ。」


「くそお、嘘つき天気予報士め。」


 次の日はみんな徹夜だったこともあり事故が多発しました。徹夜したにも関わらず流れ梅干しが見れなかったストレスもあったのでしょう。(しかし、梅干しは川を流れていたのです。気象予報士が言うものだからみんな間違っていたのでした。)


 次の日


「今夜は天の川が降ってくるでしょう。それでは皆さん、御機嫌よう。」


 テレビの中で気象予報士が言いいました。お茶の間でちゃぶ台を囲んで見ていとある核家族。


「すごいよ!!お父さん!!天の川が降ってくるなんて!!」


「くそぅ、昨日こいつの言うことは当たらなかったからなあ。しかし、2回目だし、当たるだろう。今日はみんなで天の川を観察しよう。」


「すごい!!すごい!!」


 この核家族は昨日と同じように屋根の上で空を見上げ続けました。辺りを見回すと、みんな同じように屋根の上で夜空を見上げていました。しかし、降ってくる様子はなく朝になりました。


「ああ、また嘘つかれた。」


「くそ!!ふざけやがって!!」


「まあまあ、落ち着いて落ち着いて。」


 この日はもっと事故が多発しました。二徹している人々が多かったし、みんなイライラしていたのでしょう。(しかし、本当は天野皮〔天野さんのふけ〕が天野さんの頭から降っていたのです。みんな気象予報士がいうものだから間違って捉えていたのでした。)


 またその次の日。


「今日はUFOが落ちてくるでしょう。皆さん逃げましょう。それでは、御機嫌よう。」


 テレビの中で気象予報士が言いいました。お茶の間でちゃぶ台を囲んで見ていとある核家族。


「お父さん、UFOが落ちてくるらしいよ。でもどうせ嘘だよね。」


「嘘だ!!眠いし寝るぞ。」


「うん。寝ましょう。寝ましょう。」


 ドカーンッ!!ドカーンッ!!


 たくさんのUFOが落ちてきて、みんなを攫っていってしまいました。


 完



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