ゴール切ッパー
サッカーワール丼カップ決勝戦、いよいよキックオフです。
ピピーーッ
いえーい、キックオフ。数ある激闘を制しこの名誉ある舞台に進んだポン国とペン国。さて、どんなドラマを見せてくれるのでしょうか。
ポン国ボールから。ポン国、一度ボールを自陣に戻し、ゆっくりとパスを回しています。
パ〜ス、パ〜ス、パ〜スッス〜
見ているこっちも癒されるような優しいパスです。ペン国はボールを取ろうとしていますが、なかなかボールを取れません。どちらも頑張っていますね。
シャキーンッ!!シャキーンッ!!
おっと、何か音がしますね。ポン国ゴールからのよう。何が起こっているのでしょう。あ、どうやらポン国のゴールキーパーが手刀でゴールを切断しているようです。ポン国はゴール切ッパーを決勝まで温存していたようですね。
ズゴゴゴゴー、ズゴゴゴゴー
ゴールが崩れ始めました。みるみるうちにゴールはゴールっぽさを失い、ゴミの山になってしまいました。
それを見たペン国人選手たち、動揺を隠せません。なんせ目指すゴールが失われたのですから。もうどうしようもないのです。絶対に得点できません。目標を失ったペン国人選手たち。ゾンビのようにピッチ内を歩き回る選手、点を仰ぎ涙を流す選手、行き場のない悲しみから頭を地面に打ち付ける選手、ピッチの草を鳴き始める選手など多種多様です。図鑑に出来そうですね。
そうこうしている間にポン国人選手たちはゴールに迫り、どんどんシュートを決めて行きます。ポンポンポンポンシュートを決めます。ワンサイドゲーム。戦意を喪失したペン国人選手たちは思い思いの格好でその様子を眺めています。誰がこんな試合を予想できたでしょうか。
ピピーッ
13568対0、ポン国の勝利です。喜ぶポン国人たち。しかし、サッカーゴールを破壊するのはルール違反でした。ということで、優勝はペン国。おめでとう、おめでとう。
その後、戦意を喪失したペン国人たち図鑑が発売され世界中で大ヒットしましたとさ。
完
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