おしっこぴょーぴょー

 トイレでおしっこします。


 ぴょーぴょーぴょー、ぴょーぴょーぴょー


 それを聞いた人(隣でおしっこをしていた人物)がいいました。


「あなた、病院に行ったほうがいいですよ。」


「なぜですか、どうしてですか。」


 私は聞きました。


「なぜなら、おしっこはしーしーでるものだからです。ぴょーぴょーでてしまったら、それはもう病気です。」


「ええ、それは大変だ。救急車を呼ばなければいけないな。」


 私は慌てて電話を手に取りました。


 ピポパポプ


 トゥルルルルートゥルルルルー


「はい、火事ですか、救急ですか。」


「救急です。」


「どのような症状ですか。」


「はい、あの、おしっこがぴょーぴょーでるもので。」


「なんだって。それは大変だ。すぐに行くので待っていて下さい。」


 遠くから音が聞こえます。どうやら救急車がやってきたようです。しかし、なにかがおかしい。


 ピョーピョーピョー、ピョーピョーピョー


 なんと、救急車のサイレンが、ピョーピョーピョーになっているではありませんか。


 大変だ、あの救急車も病気だぞ。救急車の救急車を呼ばなければいけない。私たちは焦って電話をしました。


 ピポパポプ


 トゥルルルルートゥルルルルー


「はい、火事ですか、救急ですか。」


「救急です。」


「どうしたのですか?」


「救急車がピョーピョーなっています。」


「なんてこった、それは大変だ。」


 グオオオオオオオン、グオオオオオオオン


 あっという間にキャリアカーがやってきて、救急車を荷台に乗せ、走り去って行きました。その間も救急車は、ピョーピョーピョーピョー鳴っているのでした。


 さようなら、救急車、さようなら、救急車


 二人で手を振り、お別れです。


 にょにょにょ、にょにょにょ


 すると突然尿意が襲ってきました。私はトイレに駆け込み、おしっこをします。


 シーシーシーシーシーシー


 なんと治っています。もしかしたら救急車が、僕の病気を引き受けてくれたのかもしれませんね。


 救急車さん、ありがぴょー、救急車さん、ありがぴょー


 完

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