家に帰るまでが遠足
「家に帰るまでが遠足です。みんな気をつけて帰るように。」
「はーい。」
じゃあねえ、じゃあねえ
みんな一目散に帰って行きます。しかし、太郎君はホームレス。家がありませんでした。
「先生。僕には家がありません。僕は遠足から帰ることができないのですか?」
太郎君は質問しました。
「否、太郎よ、違うのだ。貴様には家がないのではない、全てが家なのだ。普段寝ている路上、海、森、大地、地球全てが貴様の家なのだ。」
そうだったのか。太郎君は驚きました。でも、先生が言うならそうに違いない。遠足から帰れないどころか、家の中を歩き回っていただけで、遠足に行ってすらいなかったのだな。
太郎君は思いました。
とりあえず、普段寝ている場所まで行こう。太郎君は歩き始めました。
トコトコトコトコ
すると、、、
ぷーん
近くの家から、美味しそうなカレーのにおいが漂ってきました。
そういえば、この建物も僕の家だったな。入ってみよう。
ガッチャーン
窓を割って入りました。
キャーーーー、110番よ、110番!!
ピーポーピーポー
太郎君は逮捕され、牢屋に入れられました。
太郎君は牢屋で考えました。
自分の家にいて、逮捕されるなんておかしい。やっぱり、先生は間違っていたんだ。ではやはり、僕には家がないのだろうか、、、否!!!
太郎君は悟りました。
私自身が、私の家なのだ!!!!!!
ドンタンドンタンドンタンドンターーーン
完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます