殺三角事件

 としこは小学一年生。今日は算数の試験が返ってくる。


 返ってきた。99点。最後の問題を鼻水で書いていたので、答えはあっていたのに三角になり、一点引かれていた。としこは三角が憎くなった。


 もうちょっとで100点だったのに。


 としこは家に帰り、父親に問うた。


「なぜ三角は生きているのか。」


「生まれてから、死んでいないためである。」


 そうか、ならば、殺してみせよう。


 としこは、紙を破り、三角の一部を切り取った。


 ビリビリビリ


 ああっ、ああっ


 父は絶望した。なぜなら、娘が殺三角者になってしまったためである。ばれたら、三角警察がやってくる。


 しかし、さとこが三角を殺害した現場を目撃したのは父だけではなかった。それは、さとこである。さとこは、三角殺害を庭の木々に自慢し出した。


「私は、三角を殺した。殺したのだ。」


 噂は広まり、父親が気付いた時には遅かった。すでに三角警察の耳に入っていたのである。あっという間に、三角警察がやってきた(三角警察は三角である。)。


「さとこなる人物が、三角を殺害したと聞いた。連行させてもらうぞ。」


「申し訳ない。ただ、さとこは三角殺害が罪になると知らなかったのだ。しっかりと教えておくから勘弁してくれ。」


「わかった。今回は許そう。」


 三角警察は優しいので許してくれた。三角警察は帰っていった。しかし、ちょうどそこにさとこがやってきた。


 にっくき三角め


 さとこは三角警察を飛び膝蹴り。あっという間にみんな殺害してしまった。


 大変だ。三角警察事務局は大騒ぎ。これは私達の手に負えない。宇宙三角警察に助けてもらおう。三角警察は宇宙三角警察に助けを求めた。


 ひゅーーーーーん


 三角形の、隕石が、さとこの上に、ドッカーン。さとこは潰されてしまった。


 三角形から見れば、人間なんて、多角形である(嘘:立体であるため。)。


 完


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る