恐怖!バス!!

 雨が降っていて、大学から帰れない。困ったな、困ったな、と思っていたら止んだ。帰ろう。


 テクテクテクテク、テクテクテクテク


 歩いて帰るぞ。あ、バス停がある。さっきの雨で濡れている。寒そうだ、かわいそう。これは乾かしてあげなきゃな。私はバス停を持ち帰って、物干し竿に干すことにした。


 よっこいしょいしょい、よっこいしょいしょい


 重たかったが頑張って運んだ。しかし、このままだと干せない。まず私はバス停を二つに折った。


 バキバッキン


 そして真ん中に餅を挟んで固め、くの字型にした。これで干せるぞ。


 ほしほしほし


 バス停は太陽の光をいっぱいに浴びている。幸せそうだな。バス停が幸せそうだったので、私も幸せになった。私は幸福に浸っていた。すると、、、


 ドンガラガッシャーン


 突然何かが家に突っ込んできた。なんだ、なんだ。突っ込んで来たものに目を向ける。あ、バスだ。ここにバス停を置いてしまったから、ここがバス停になってしまったわけか。なるほど、なるほど。


 しかし、バス停がここにあるとなぜ分かったのだろう。よく見つけ出したな。私はバスに感心した。


「バス、バス停を、どうやって見つけたのですか。」


「ババスバス(愛の力さ)。」


 きゃあ素敵、ロマンティック、ロマンティック。


 私は感動して尋ねた。


「バス停とはできているのですか。」


「バスババババババ(彼女とは仕事上の付き合いさ。プライベートまで踏み込んじゃいけねえ。)」


 なんだかとても、かっこいい。


「私と結婚してくれませんか。」


「バババババスッバスッスススス(バス停誘拐犯と結婚なんかするわけねえだろ。)」


 ドドドドドーンッ


 私はバスに吹っ飛ばされて、バス停になった。昨日あなたが待っていたバス停は、実は私だったのかもしれません。


 完

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