友達100人

 はなちゃんは今年から小学校1年生。


 ♪〜いっちねんせーになったーら、いっちねんせーになったーら、とーもだっちひゃっくにっん、でっきるっかなー〜♪


 お母さんと何度もこの歌を歌い、友達100人作るのを楽しみにしていました。しかし、はなちゃんが入学した学校の全校生徒は60名。これでは友達100人できません。


 困ったな


 はなちゃんは悩みました。悩みに悩んだ末、足りないぶん子供を産み、その子供達を友達にしようと思いました。そのためには、セックスしなければ。


 はなちゃんは同じクラスの太郎くんに話しかけました。


「友達100人欲しいから、セックスしよう。」


 太郎くんも友達100人できないことに悩んでいたので、その手があったか、はなちゃんは頭がいいなあ、と思いました。しかし、太郎くんは今の自分に生殖能力が備わっていないことを自覚していました。


「ごめんねはなちゃん。今の僕にはまだ生殖能力が備わっていないんだ。代わりに担任のたかお先生にお願いしてみて。」


 と言いました。はなちゃんはたかお先生にお願いしてみました。


「たかお先生、友達100人欲しいから、セックスして下さい。」


 たかお先生は訳が分からず気持ち悪かったので、


「きめえよ、死ね。」


 と言いました。はなちゃんは諦めて、保健室の先生に相談しました。


 保健室の先生は言いました。


「はなちゃん、残念だけど、あなたも太郎くんと同じように、まだ生殖能力が備わっていないの。だから、今のあなたに子供を産むことは不可能よ。」


 はなちゃん、しょんぼり。しょんぼりして、顔をかきました。


 しょんぼりぼりぼり、しょんぼりぼりり


 はなちゃんがしょんぼりしたのを見た保健室の先生、元気付けなければ、と思い、


「でもね、あなたがかいたその顔には、顔ダニというダニが数百万匹住んでいるの。だから、あなたにはすでに数百万の友達がいるのよ。」


 と言いました。はなちゃんは、こいつ頭大丈夫か、と思いました。


 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る