今の私に必要なもの

もの

第1話ラデュレのマカロン 1


今、私は銀座の三越のラデュレにいる。

私はマカロンを52個を、買いに来た。

その値段は19151円。

気が狂ってもなければ買いもしない代物だ。


それもそのはず私は昨日、失恋を経験した。

この間、三回目のデートを済ませ、順調にラインも進めていたはずなのに。いざ告白してみたら、彼からは「好きなんだけど、なんか違うっていうか、なんて言えばいいかわかんない、でも、付き合えません」と返事が来た。

万が一も考えつつ、きっと心の何処かで付き合えると思ったいた、いや、信じていた。


あれから、ライン送っても、彼からの返信もなくて既読も無くて、そんな私の心はズタボロで、


そんな傷心の自分を慰めるべく、やって来たのはラデュレだ。包装の可愛さもさることながら、マカロンも拘りを持って作られている。以前、頂き物で頂いて食べた時に美味しく、また食べたいと思っていたので失恋の薬として今の私に最適だろう。

箱の中のマカロン達はどこも欠ける事無く、綺麗に色を纏ってそこにある。

どことなく綺麗で上品な佇まいで、その光景が今の私を癒していく。


私はずっとショーケースのマカロンを見つめすぎたのか販売員の人に困った顔でお決まりでしょうかと言われてしまった。その人の顔を見て、咄嗟に目線をそらしてしまった。その人と目を合わせないまま、注文を済ませ、会計をし、一刻でも早くそれを食べるためにそのまま家に直接帰った。

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