逃亡作家 村健一
トマトも柄
第1逃亡 依頼
俺の名前は
作家になって人気が出て多少は有名にはなったみたいだ。
周りでは天才と言われてるとか。
あまり実感はないけれども……。
実際、ちょくちょくアニメ化やコミカライズもされており、俺の作品が新たな目線で見れて面白かった。
さて、俺がなぜこういう話をしているかを話そう。
最近も小説を書いていたのだが、ネタが尽きたのだ。
基本、ある程度は書き溜めして行っていたのだが、今回は全く出てこない。
これは困った……今、連載している物はストックがあるから何とかなるが、新規の作品を書くとなると時間がかかるぞ~。
ん? 携帯の音が鳴っているな。
あら? 編集者の人からだ。
何なん何なん何だろな~♪
「はい、もしもし」
「もしもし。 すみません、先生。 今、お時間の方は大丈夫でしょうか?」
「あ~大丈夫ですよ。 もしかして、以前お渡しした原稿のお話ですか?」
「いえ、原稿の方は今確認中で、今回はそちらのお話ではないのですよ」
「あれ? そうなのですか? では、用事というのは?」
「聞いて下さいよ! 何と! 新聞社の方から小説の依頼が来ました! これはすごいことですよ!」
「ん? 新たな連載ですか? けれど今、ストックとかも無いのですが」
「まぁ、そこの方は新聞社の方に聞いてくれませんか。 今から、電話番号と住所の教えますので」
俺はその場でメモを取るために紙とペンを取る。
で、電話番号と住所を聞いて俺はふと気になることを聞いてみる。
「はいはい。 ん? 住所ってこれ私の家の近くですね。 偶然ですか?」
「あ、やっぱり気付きましたか。 そうなのです。 新聞社と言っても毎日やっているところではなくて、地方で静かにやっていて、週一で新聞を出しているみたいですね」
「そうですか。 ありがとうございます」
「いえいえ。 いけるのでしたらお電話の方をよろしくお願いします」
「はい。 分かりました。 では、失礼します」
「失礼します」
そう言って、俺は電話を切った。
どうしようか……仕事の依頼は嬉しい話だ。
しかし、アイディアは出てこない。 無理矢理絞り出すか……。 いや、そうやって向こうに迷惑をかけてはいけない。
う~む、どうすればいいか。
そこで悩んでいる時に、ある物が目に入った。
先程、休憩中に読んでいた小説である。
その小説は怪盗と探偵が謎を繰り広げながら追いかけ回すという内容で大人気の小説だ。
そこで俺はあることを思い付いた。
そうか、向こうにも協力してもらえばいいのか。
俺は笑みを浮かべていた。
これは面白いアイディアが出来そうだ。
ヒ~ヒッヒッヒッ!
さぁて電話して頼み事をしないとね。
あぁ~どういう返答が来るか楽しみだなぁ~。
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