幻日に浮くは花か骸か

村瀬 蓮

1 げんじつノート


ただずっと旅をしていた。やがて私は、名を持たない者達と出会った。彼らは毎日形を変える。愉快で奇怪で滑稽な彼らを私は気に入った。このノートは、彼らの『げんじつ』を書き留めるためのもの。


とにかく、決して明るいばかりではない彼らの生を、残さなければならないと思ったのだ。



追記

私には私達と彼らの違いが分からないが、これを見た方がそれを見つけてくれることを信じている。

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