『キャッチボール』(課題:死)2016/6/8
まごうことなき駄作です。
失敗しました。
人 物
小森一樹(12)・(15)高校生
小森良雄(47)一樹の父親
小森康江(45)一樹の母親
小森恵(17)一樹の姉
関信夫(58)少年野球の監督
医者
店長
〇総合病院・診察室
小森良雄(47)が、医者と向かい合って座っている。
小森は神妙な表情。
医者は手元のカルテを見つめ、
医者「……お気の毒ですが」
ひざの上で拳をギュッと握る小森。
〇小森家(夕)
小森が玄関から入ってくる。
小森「ただいま」
小森がキッチンに顔をだすと、小森康江(45)が料理をしている。
康江「おかえりなさい、あなた。健康診断の再検査、どうだった?」
小森、寂しそうな顔をして、
小森「結果がでるのはまだ先だが、おそらく異常なしだって」
康江「よかった。あなたには元気で定年まで働いてもらわなくちゃ困るもの」
小森「子供たちは?」
康江「一樹は、バイトの面接で遅くなるって」
小森が、食卓の上に表彰盾を見つける。
盾にはジュニア野球トーナメント・MVP選手・小森一樹と書かれている。盾にはヒビが入っている。
〇ゲームショップ(夕)
ゲーム販売店のスタッフルーム。
店長が履歴書の写真と、小森一樹(15)の顔を見比べている。
店長「少年野球、やってたんだ。ポジションどこ?」
一樹「サードやってたス」
店長「高校でもサードを?」
一樹「野球は中学になって辞めてしまって」
店長「なにか事情でもあったの?」
一樹の表情が険しくなる。
〇(一樹の回想)・小森家
小森の腰に抱きつく小森一樹(12)。
一樹「お父さん、明日の試合絶対観にきてね」
小森「(疲れた表情で)ああ、もちろん行くよ」
一樹「そう言っていつも観にこないじゃーん。明日はぜったい! ぜったいだからね!」
疲れた表情で微笑む小森。
〇(一樹の回想)・野球グラウンド
少年野球の選手たちが泥だらけのユニフォームで、父親らしき人物と笑顔でたわむれている。1人でポツンと立っている一樹。
カメラをセットしているカメラマン。
カメラマン「それじゃあ、集合写真撮りますので、並んでください。お父様がたも一緒にどうぞ」
少年たちが、父親と肩を組んだり、一緒にピースしたりする。
一樹は耐えるような表情で1人で、MVP選手の表彰盾を持っている。
その手が震えている。
〇ゲームショップ(夕)
一樹(15)と店長が座っている。
険しい表情の一樹、自嘲的に笑い、
一樹「なんだか急にさめちゃったんス」
店長「……。次は家族の聞かせてもらえるかな?」
〇小森家(夜)
キッチンで洗い物をする康江、食卓で仏頂面で新聞を読む小森。
一樹の声「ただいま」
キッチンへ入ってくる一樹。
一樹「母さん、今日のごはんなに?」
新聞の端から一樹をのぞき見る小森。
小森と一樹、一瞬目が合うが、一樹は無視。
康江「今日はイカフライと煮物。面接どうだったの?」
一樹「土曜からバイトだから」
一樹、食卓の上の表彰盾に気づく。
一樹「母さん、これ……」
康江「それね、母さん、あなたの部屋を掃除してたときに落として割っちゃったのよ。ごめんなさい」
一樹「フーン。別にいいよ。もうゴミに捨てちゃってよ。こんな埃かぶってたものを食卓に置かないでよ」
康江「そう? ごめんなさいね」
悲しそうな顔をする小森。
小森「何も捨てなくたっていいじゃないか」
一樹「父さんには関係ないだろ。ろくに試合も観にこなかったくせに」
小森「(悲しそうな表情で)……」
一樹、キッチンからダイニングを見ると、小森恵(17)がテレビを観ているのに気づく。
一樹「姉貴、なんで野球中継なんて観てんだよ。いつもこの時間は音楽ステーション観てんだろ」
康江が料理をテーブルに運んでくる。
康江「なんかねえ、お姉ちゃん、今付き合ってる人が野球ファンなんだって」
一樹「すぐ別れんだからチャンネル変えてよ」
恵「うっさいなあ。気が散る」
小森、新聞の端からしきりに表彰盾をのぞき見ている。
〇同・小森夫婦の寝室(夜)
病院の診断書を真剣な表情で見つめている小森。
パジャマの康江が鼻歌を歌いながら、部屋に入ってくる。
小森が康江に何か言う。
康江の顔が信じられない、といった表情で固まり、ウッと泣き崩れる。
〇ゲームショップ(夕)
店員の制服でバイトする一樹。
〇小森家(夜)
キッチンに一樹が入ってくる。
一樹「ただいまー」
食卓には、小森と恵が座っている。
恵「おっそーい。お腹へってるんだけど」
一樹「先に食べてればいいだろ?」
恵「お母さんが、夕飯は家族全員そろって食べたいんだって」
一樹「なんだよそれ」
康江が食卓に料理を運んでくる。
康江「これから毎日、夕食は全員揃うまで始めないからね」
一樹「なんでそんなことをすんの?」
康江、小森のほうを見るが、小森は新聞で顔を隠したまま沈黙。
康江「あと、今週末は家族4人で旅行に行くことにしたからよろしくね」
一樹「ハア? なんだよそれ。なんで高校生にもなって、家族で旅行なんて行かなきゃならないんだよ。意味わかんねえ。なあ、姉貴?」
恵「私は旅行行くよ」
一樹「こんなのおかしいだろ、なんで急に」
恵「別になんでもいいじゃん。私は旅行に行くなら、美容の専門いくの許してくれるっていうからそれでいーの。アンタもなにか頼んでみれば?」
一樹「なんだよそれ気味がわりいな。あんなに反対されてたのに。とにかくおれはパス。そもそもバイトのシフト入ってるし」
康江「(ヒステリックに)一樹!」
康江が、一樹の足下に皿を投げる。
皿が割れる音。
目を丸くする一同。
小森「やめなさい!」
康江、泣いている。
一樹と恵、困惑。
康江に近づいてなだめる小森。
小森「……いいんだ」
〇川べりのグラウンド(夕)
少年野球のチームが練習している。
土手で見学している父親らしき人物たち。
自転車で通りかかる一樹。
土手に小森の後ろ姿を見つけて、自転車を止める。
一樹「父さん……?」
おそるおそる小森に近づく一樹。
小森、ニコニコしながら少年野球の練習を見ている。
小森の横顔を見て、一樹は複雑な表情。
一樹「父さん、何やってるの?」
小森「一樹か。たまたま通りかかってな。お前が少年野球をやってたのが懐かしくて見てたんだ。試合、見に行けなくてゴメンな」
一樹「別に、いいよ」
小森「もっと早くこういう時間をつくればよかったな……」
一樹「ねえ、なんでグローブ2つとボール持ってんの?」
小森「(微笑み)……」
一樹「もしかして、おれとキャッチボールやりたかったの?」
〇空き地(夕)
キャッチボールをする一樹と小森。
小森「帰ったら渡したいものがある。それと大事な話があるんだ」
〇葬式会場
小森家・葬式会場の看板。
喪服の参列者たち。
一樹、恵、康江も喪服。
恵と康江は泣いている。
棺の後ろには小森の遺影。
〇小森家・キッチン(朝)
坊主頭になっている一樹、台所で足踏みしている。
一樹「母さん、弁当早く。朝練に送れるって」
康江「もうできるからお父さんにあいさつしてきなさい」
〇同・仏間(朝)
小森の仏壇に手を合わせる一樹。
遺影の横にはツギハギあとがある少年野球の盾が飾られている。
/了
いろいろ反省点はあるのですが、
書きたいことを書ききれない&序盤のシーンで尺をとりすぎました。
2016/6/8引導
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