『ベンチ』(課題:だまされる男)2016/5/25
今回は授業中にやったアドリブ課題を掲載します。
制限時間30分でペラ3枚。
主人公は、吉田広(34)サラリーマンで固定
人物
吉田広(34)サラリーマン
公園の清掃員
『ベンチ』
〇公園
スーツの上着を脇に抱えている吉田広(34)の顔に貼り紙が風で飛んでくる。
吉田「(顔から貼り紙を引きはがし)なんや?」
貼り紙には『ベンチ老朽化につき使用不可』とある。
白髪の公園の清掃員がやってきて、
清掃員「あちらのベンチはいま座らないほうがいいですよ。ちょうど今……」
吉田「(どなって)わあっとるわい」
吉田の目の前に2つのベンチ。
1つは、ペンキの塗装がはげて、板が割れ、釘が露出しているもの。
もう1つは、ピッカピカの光沢をはなつ新品同様のベンチ。
吉田、憎々しげにボロいベンチから遠ざかり、新品同様のベンチに重い腰を下ろす。
吉田、ベンチに座ると同時に、反射的に立ち上がる。
立ち上がった吉田のスーツのおしり、ペンキで汚れている。
吉田「あの清掃員、今度会ったら許さへんで」
/了
評価
個人的にはおもしろいものがかけたなと思ったんですが、
ダメだったようです。
『だまされる男』という課題の意図には、
だます人間と、だまされる人間がいて、
どうしてだますのか?を観客に理解させる構造が含まれていなければダメなようです。
毎回、面白いものを書こうと意気込むがあまり、課題の趣旨から外れてしまうのが多いのが、ホントだめですね。
課題の意図を守れてない作品は、
ぼくからすれば『そもそも基本的なルールを守れてない論ずるに値しない作品』
ということなので、失敗したなあと。
それでも導入部はかなり好きなんです。
貼り紙が顔にからみつくって始まりかた、なんかいいでしょ。
推敲案としては、
清掃員をいじわるなおじさんにして、
明確に悪意をもってだます、という構造にする。
というものがあります。
じゃあ清掃員はどうしてだますのか?
うーむ。いつもタバコのポイ捨てをされてムカついてるから?
それを物語のなかで自然に観客にわからせるのが腕の見せ所ですかね。
2016/5/25引導
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