僕、

端広 光

第1話 秘密

 僕のことを知ったなら、君はなんというだろうか、きっと「気持ち悪い」とでも言うのだろう。

 そう、だから僕は中学2年の夏から、人を信じることを、正体を明かすことを、やめた。



「なーなー、バスケしね?」

「このゲームおもろくね?」

「あたしの彼氏がさー」

 教室は常に騒がしい、この学校は通常の高校とは違うカリキュラムが組まれているせいで

 まだこの時期は必死に勉強する奴はいない。

 だから、休み時間は体を動かしたり、ゲームに勤しんだりする。

 その中でも、僕は浮いた存在なんだろう。

 普通、新しいクラスになっても、2ヶ月もすれば固定の友達が出来てくる。

 僕はといえば、全員と、まんべんなく、平等に、当たり障りなく付き合っている。だから、白い目で見られることも多い。

 誰も相手にしない、されないはずだったのに、だから、隣の席の奴の鬱陶しいくらいの絡みには危機感を抱く。

 なぜって?僕の懐に入られて、この秘密を知られてしまったら、僕はたぶん、ここで生きていけないから。





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