拝啓、僕へ

りり

第1話

朝、自分の眼を疑った。

起きたばかりだというのに、誰かに鈍器で殴られたぐらいの衝撃が、走った。


自分の部屋に、もう一人の自分がいたからだ。


同然だが、顔、背丈がまるっきり同じだった。


鏡、だと思ったが

自分の部屋に大きな鏡は、存在しない。


なんだか、気味が悪い。


誰だよ、そいつ。


外見は、僕そっくりの人間。


完全に動揺を隠せないが、僕には学校がある。


ベッドから降りて、制服に手をかけたその時。


僕にそっくりのあいつも、制服に手をかけたのだ。


なんだよ、こいつ。

僕の真似するなって。


一階から学校に早く行くように促す、母親の声がする。


それに、返事をしようとした時。


『今、準備してるとこ!』


僕に代わって返事をしたのだ。


それに、僕そっくりの声。


花吹翔という名前が入った生徒手帳を手にとり、リュックを背負おうとした、あいつ。


『僕が学校に行くよ。心配しないで大丈夫。』


ただ、ただパジャマを着て呆然とする僕。



いやいや、一体誰なの、あなた!!







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