協会と吸血鬼
@aoba___132
Prologue
もし、あの時、あんなことしなければ。
…あんなことを、言わなければ。
たらればに意味が無いことは十分承知している。
だが、言わずには居られなかった。
目の前の、先程まで普通に会話していたはずの女がこちらに銃を向けている。
銃を向けているのに、こいつはいつも通りの仏頂面だ。
それが、少し不気味に感じる。
「なに考え事しているのですか、研究体17。」
そう言われ、はっと我に返った。
そうだ、考え事は後にしよう。
今は、この現状を、状態を、打開しなければ。
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