誘い


 さて。


 僕は君に道を示そう。


 それは過去へと立ち戻る道。


 彼と出会うのは少女と男。


 彼女は彼を哀しませ。


 男は彼に未来さきを見せる。


 決して薦めはしない。


 導くものが希望だとは、決して限らないのだから。


 絶望へと続く道は。


 彼が望まずともそれは。


 果てなき荒野へと繋がっていく。


 ともに追いし者よ。


 覚悟をするといいだろう。


 僕?


 僕は彼の側に寄り添い、共に道を歩むもの。


 気にしなくてくれていい。


 僕はいてもいなくても、誰が気にするべくもない。


 道化とでも思ってくれれば。


 さあ、話が長くなってしまったようだ。


 進んでくれ。

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