FLAGSHIP OF THE REGALIAS
O23
完成された街
たいていの人間が、退屈で無意味な人生に人生に落ち着くことになる。
そして、そんな人生を、平和で幸せな人生と思い込ませる。
そんなことを考えながら、ケイはこの街に来た。
街は彼を選んだが、彼が街を選んだわけではない。
その街は住人に幸福を約束する。
完璧に設計された街は、住人すらも設計内に組み込まれている。
住人は全て街に選ばれた人間であり、それ故に街の中のコミュニティは完璧に制御されている。
争いや不和は微塵もなく、ただ人々は穏やかに、美しく暮らしていく。
この街に選ばれた人間は、この街に来るときに記憶を消される。
その街に来る前に過ごした記憶は無意味で、邪魔にしかならないものだから。
ケイは失われた記憶について考えた。
自分は一体、これまでに何をして、何を思い、生きてきたのか。
思い出すこともできない過去を思いながら、彼はこの街へ足を踏み入れた。
彼は、この街の一部になるために、生まれ変わった。
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