紺
「紫!!!」
武器庫から戻った月島に黒髪の少女が手を振る。
「今日もお仕事?」
「ああ。だが心配はいらない、援護だ」
「でも…」と、不安そうにこちらを見上げる紺の柔らかな髪を梳く。月島はつくづく彼女を愛おしいと思う。
「大丈夫だ」
「ん、信じてる」
そう言う彼女の手にも2、3日前の仕事で負った傷がまだ残っている。痛がりの彼女が泣きもしなかった、月島が付けた傷。
辛い、苦しい。胸の奥からせり上がる感情を、また『愛』と名付けて心の奥に押し込む。
「仕事前にライフルの手入れを済ます」
「じゃぁ、見てて良い?」
子犬のように目を輝かせる紺に、いつも通り、「見ても良いが少し離れていろ」、と注意して、月島は休憩室に向け歩き出す。
Dark moon @chocolatier
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Dark moonの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます