「紫!!!」

武器庫から戻った月島に黒髪の少女が手を振る。


星野ほしの こん。彼女が一年程前、この組織にやってきた新人、そして…月島の恋人だ。


「今日もお仕事?」

「ああ。だが心配はいらない、援護だ」


「でも…」と、不安そうにこちらを見上げる紺の柔らかな髪を梳く。月島はつくづく彼女を愛おしいと思う。


「大丈夫だ」

「ん、信じてる」


そう言う彼女の手にも2、3日前の仕事で負った傷がまだ残っている。痛がりの彼女が泣きもしなかった、月島が付けた傷。

辛い、苦しい。胸の奥からせり上がる感情を、また『愛』と名付けて心の奥に押し込む。


「仕事前にライフルの手入れを済ます」

「じゃぁ、見てて良い?」


子犬のように目を輝かせる紺に、いつも通り、「見ても良いが少し離れていろ」、と注意して、月島は休憩室に向け歩き出す。

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Dark moon @chocolatier

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