第189話 ニーベルング

ニーベルングの指環は北欧神話の英雄であるシグルズの物語をモチーフとした物語です。

かのナチスドイツのニーベルング騎士団はこの舞台劇を見たヒトラーがめっちゃ感動してその名前にしたと言います。


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本文


ゴルゴーン三姉妹

この中で特に有名なのがメドゥーサだろう。

宝石のように輝く目を持ち、見たものを石に変える能力を持つ。

かつては見た者を恐怖で石のように硬直させてしまうとされていたが、近代になり、より脚色され、途中から現在知られている形に解釈される。

頭髪は無数の毒蛇で、イノシシの歯、青銅の手、黄金の翼を持っている事になってしまった。


「さて、事情を聴かせて貰おうか? 何故お前達はアテーナーから逃げているんだ?」


三人は顔を合せお互いを見て、大きく頷いた。


「私達はこの地球に到着する前に、戦に参加するよう言われていたんです。ですが私達は元々はナンナ様に隋神していた月の女神です。」


「そうなのか? 朔」


「そうじゃな、まだ地球に原生人類が出来る前の話じゃ」


「ですがナンナ様はオリュンポスと反する道を選ばれました。私達はどうするべきか道を選びかねていたのです。そんな時にアテーナー様からお声がかかり、戦に参戦するようにと…………私達は妹のメドゥーサがまだ立神していない事を理由に参戦を拒んだのです。ですがアテーナー様は聞き入れて下さらず、困り果てたのですが…………

メドゥーサがアテーナー様への反論で、此の世随一の自分の美を汚したくないと思わず言ってしまったのです…………」


「はー…………神話の通りか…………此の世随一の美なら自分より美しいと言う事か‼ …………とアテーナーは怒ったと…………」


「はい、そしてアテーナー様は其なら二度と愛を育めない様にとメドゥーサが見る者全ての人々を石に変えてしまう魔術をメドゥーサに施されてしまったのです」


「我等ティアマト人相手にはアテーナーの魔力は効かぬが、地球人ならば石に変えてしまうじゃろうのう…………酷い事をするものじゃ」


「私達はいくらなんでも横暴だと、直ぐに元に戻すようアテーナー様に抗議したのですが、私達にまで同じ魔術をかけようとされたので、すんでの所で逃げて来たのです…………」


「大丈夫だ‼ アテーナーは私が倒す、そうすればお前の目も元通りになる‼」


「あ、ありがとうございます…………貴女は?」


「もしや! パラス様ですか⁉」


「そうだエウリュアレー! 久しぶりだな」


「知ってたのか?」


「はい! パラス様とは学門所での同門なのです」


「成る程な…………まあ大体の経緯は解った。お前達を責任もって俺が保護しよう」


「本当ですか⁉」


「ああ、だがこの軍には地球人も多い、石にされても困るからメドゥーサの行動には既成をかけさせて貰うがそれは我満してくれ‼」


「はい、当然です」


「泣くな、メドゥーサ、私が必ず元に戻してやるから‼」


「はい! あ、、あの……パラス様? パラス様はアテーナー様と戦われるのですよね?」


「ああ、そうだが? 其がどうしたのだ? メドゥーサ」


「なら私にも手伝わせて下さい‼ 私悔しいです……」


「気持ちは解るが立神してない状態のお前ではアテーナーとの戦いでは足手まといになってしまうよ…………」


「こうすれば足手まといには成りません‼」



メドゥーサは祈りのような物をしだし、暫くすると体が発光しだす、と思いきや、マルティアと光で結ばれた



「マルティアの隋神に成ると言うのかのう?」


「これはそう言う事なのか?」


「そうじゃ、詰り主人殿と帝達の関係と一緒じゃ」


「はあ? 俺は陛下やナーナを隋神になんかした覚えはねーぞ?」


「詳しく言えば三種神器、詰りエアのじゃ、じゃからこそ帝の即位には三種神器、詰りパルスーが必要となる」


「そう言う事だったのか!」


そしてメドゥーサはマルティアのイージスに宿り、かくして歴史は動き、メドゥーサの盾はマルティア、パラスの持ち物となったのである。

見る者を石に変えてしまう伝説の盾、本来メドゥーサはペルセウスに討ち取られたとされる。

アテーナーはその首を、自分の山羊皮の楯アイギスにはめ込んだ。


「隋神が居ると言うのはこう言う事だったのか! ありがとうメドゥーサ! 盾がまるで絶対防壁のような力強さを感じる‼」


メドゥーサは元に戻りマルティアを見上げる


「では私の同行を許してくださいますか?」


「ああ! 勿論だ、私が必ず元に戻してやるぞ‼」


「はい! パラス様‼」


「それでな、私は今はマルティアと名のって居る、そう呼んでくれるか?」


「はい! マルティア様」


マルティアの対アテーナー戦において思わぬ大収穫だったな



「所で健兄さん? 朔耶達レムリア軍の方は大丈夫なのかしら?」


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ナルメル率いる南アトランティス軍と、コトポニア率いるレムリアの連合軍、勿論総大将にはポセイドーン、副将にはハデスが付いていた。

この軍にはヒュプノス迄参戦していたので何等心配の無い軍勢だった。

だが当然オリュンポス軍もヴォーダンの一族との連合なので油断は出来ないが……


「ポセイドーン様、南アトランティス軍もレムリア軍も優勢に戦いを進めているようです」


「そうかアイオロス、まだティアマトの者は出ておらぬな?」


「は! 未だ確認されておりませんが、ただ先程朔耶が大和よりの念話で至急ポセイドーン様、並びにハデス様へと伝言を受けたとの事」


「大和から? 話せ‼」


「朔耶、お二人に伝言を」


「はい! 先程健兄さんから伝言を受け、あちらも戦闘に突入した様なのですが、ルチルが神の一柱と戦ったそうです。」


「ルチルが? ルチルは立神したばかりの筈、大丈夫だったのか? 其にその神の名は?」



「はい、ハデス様、ルチルは姉二人の助力を得て勝利しました、そしてその神の名はエーギル!」


「何だと‼ ヴォーダンの一族がオリュンポス側に付いたと言うのか‼」


「ハデスよ、落ち着け、だからこそアプスー様は我等とお主の一族全てを分けずにこの軍に纏めたのであろう」


「だがポセイドーンよ、尚更分けなかったのは裏目に出たのではないか? 向こうが手薄になるのでは?」


「ルチルが助力を得たと言ってもエーギルを倒したのだ、その意味を考えてみよ!」


「ルチルは元ジャーリアか…………うん? そうか‼ だがまさか⁉」


「そのまさかですハデス様、ムー軍の居る向こうの方角、その神性を感じ取って見て下さい」


「ヒュプノス! …………何‼ 小さいとは言えどんどん神性が増えて居る‼ イナンナが仕組んでいたのか⁉ これは凄い!」


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ムー軍


ジャーリア達が戦いの極限の中で、次々と覚醒して行っていた。

こうなるともう北アトランティス軍は総崩れになり、後退するしか無い。


「このまま押し込むよ~!」


「今度のレールガンは軽くて反動も少ないから撃ち安いよね~」


退却していく北アトランティス軍、初戦は完全にムー、レムリア、南アトランティス軍の勝利に終わっていた。



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オリュンポス軍本陣


「ゼウス! 思わぬ事態です‼」


「どうしたのだ、ヘーラー」


「敵のジャーリアが次々と覚醒! 神気を纏い初めて居ます! 中には覚醒して神衣を纏って居るものまで、エーギル殿がそのジャーリアに敗北致しました」


「なんじゃと‼ エーギルがジャーリアごときに遅れをとったと言うのか‼」


「はい、オーディーン…………」


「温存してはおれませぬな、オーディーンよ」


「出すのか? ゼウスよ」


「出すしかないでしょう、非常事態です」


「ならば此方も出そう、過剰戦力だがティアマト人の被害はこれ以上出すわけにはいかぬ」


「そうですね、人間などはいくら死んでも構いませんが…………アテーナーを呼べ‼」


「此方はブリュンヒルデに率いさせる! ブリュンヒルデを呼べ‼」


「ブリュンヒルデに御座います」


「ブリュンヒルデよ、そなたにこのニーベルングを授ける」


「こ! これは…………良いのですか⁉ オーディーン直属の戦士を私が率いて‼」


「構わん、ニーベルング達と直ちに趣き南アトランティス軍を討て! ムーは任せたぞ? ゼウスよ」


「解りました、アテーナーよ、アレースとアレース軍と共にムー軍を撃ちに行きなさい」


「アレースとですか? あんな野蛮人と!」


「アテーナーよ、お前がアレース軍を嫌っているのは承知している、だがアレースの軍は強い、ヘラクレスやペルセウス言った将軍達は無類の強さを誇る、かのもの達の力を使わなければ此方が勝つにしろ甚大な被害を出す結果となろう。頼むぞ‼」



対にヘラクレス、ペルセウス等のギリシャ神話最強の英雄や、ニーベルングの英雄ジークフリートやシグムンド等が戦いに投入される事になってしまった。

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