第183話 一人神

対にイナンナの秘密が明かされます


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本文


イナンナが現れた、今でも充分に美しいが、朔や桜の話では本来の姿は比では無いと言う。

まあ女の可愛いとか美人とかの他人の評価は先ず当てにならないんだが…………

恐らくかなりの男に経験が有るだろう…………


「何々ちゃんが君の事好きなんだって~」


「何々って? 知らないな~」


「ほら!何組のあの子! 超可愛いよ‼ 一度話してみなよ~」


……と言われ会って見るとグレートな顔立ちの恰幅が大変宜しい子だったりするわけだ…………

まあ神と言われる者にそんなグレートな顔立ちの者がいるとは思えないが……


「健? 今失礼な想像をしていなかったかい?」


「んあ⁉ い、いや、、そんな事はねえぞ」


「でも…………本当に無事で…………無事で良かったよ……僕は君にいなくなられるのには……耐えられない、、、」


「泣くな‼ 今俺はここにこうして居るだろ! お前を悲しませる様な事を俺がするわけねーだろ! それに…………まあ記憶も大分戻ったしな」


「そうか! 良かった、力を大分取り戻したんだね?」


「ああ、それに初めてこの世界に来たときよりもかなり強くなってるしな」


「うん、解った、もう泣かないよ、君がここに居るのだからね」


「ああ、じゃあ今度はお前が力を取り戻す番だ! 行こう」


「じゃあ皆ここに集まって! あ!それから…………アグディスティス、ありがとう、健を守ってくれて…………て僕が言うのも変かな?」


「そうね、健ちゃんはママの子だもの! 貴女に言われなくても健ちゃんは私が守るわよ?」


「そうだね、では行くよ!」


そしてクリスタルタワーへと転移した。

途端に朔耶が固まり出す


「う! 嘘‼ ここ……え⁉ 本当に月なの?」


「そうですよ! 朔耶さん、私達も最初はびっくりしてしまいました」


「そうね、ルチルはここに来たことあるのよね…………」


「言ったろ? ひっくり返るって」


「あ! 健様ー!」


「楓、元気そうで良かった」


俺は楓を抱っこした、正直何故楓に魂の触媒が出来るのか俺には皆目見当がつかないが、楓が居なければ岩戸開きが出来ないのは事実だ。


「さて、早速岩戸開きと言いたい所だが、先ずはイナンナ、朔、桜、ナンナ、お前たちには俺に大分つけが有る事は忘れていまい…………」


「え? う~ん…………」


「仕方あるまい、主人殿へ支払わねばのう」


「お主は相変わらずじゃのう! ただ主人殿としたいだけじゃろう!」


「朔、往生際が悪いぞ」


と言う事で戦の間溜まりに溜まった俺の数億匹を皆とイナンナの現在の体にへと放流したのであった。

何故かそこに母ちゃんが乱入してきたがもうどうでもいい…………


「では始めようか、皆此方に来てくれ」


案内された部屋は薄暗くヒンヤリした何も無い部屋だった。

だがそこには人が一人入れそうな生命維持装置の様なカプセルが真ん中に一つだけ置いてある。

恐らくあのなかにイナンナの本体が生きているでもなく、死んでいるでもなく、横たわって居るのだろう。


「いつみても不思議な物だね、自分の姿をこうして見るのは…………」


そこに眠っている女性は、白銀の髪、ロングヘアー、この世の者とは思えない程美しく神秘的な顔立ちをした155㎝くらいの身長の細身な女性であった。衣服は和服の所謂浴衣姿、だが胸はでかい…………


「開けるのか?」


「いや、この中に壺に満ちた魂を入れるんだ、そして帝、ナーナ、ルチル、やることは解るね?」


「はい! 布瑠のふるのことですね?」


「そう、そしてココノ、タキ、エレ、君達は舞う、奇魂の舞、出来るね?」


「はい、問題有りません」


「では始めよう、楓!」


「はい!」


楓がカプセルの近くに壺を持って立ち、祈りの様な物を捧げている、カプセルの動力の様な物が動き出した。


「桜、このカプセルの様な物は何だ?」


「主人殿の世界にはまだ無いと思うのう、これはおおよそ主人殿の世界から300年程未来に製作された、生命維持装置じゃ、主人殿…………怒る出ないぞ? いや、ここではなんじゃな…………一度この部屋を出ようかのう…………」


何だ? 一体あの機械が何だって…………


「何処から話そうかのう? まあ最初からじゃのう……主人殿はこの地球に前回の周回、詰り地球は何度かやり直している事は聞いておるの?」


「ああ、イナンナから聞いた、地球が壊滅する未来もあったって」


「そうじゃ、じゃが我らがそれに対して抵抗してたのは存じておるのう?」


「ああ、イナンナが中心となって朔がスサノオとかになって戦ってたんだろ? それも聞いた」


「イナンナのあれはのう…………きゃつらに嵌められた成れの果てなんじゃ…………」


「ああん⁉ どういう事だ其れは‼」


「イナンナは戦った、地球の子孫達の尊厳を守るため、そして宇宙の自由の為にのう、彼奴等はそんなイナンナが邪魔じゃった。イナンナはエアからパルスーを託された存在、その力は強大じゃった。パルスーを纏うイナンナの前には敵はいなかったんじゃ。そこで彼奴等はイナンナの回りから崩す事を考えたのじゃ、つまりのう、、、イナンナに濡れ衣を着せて魂と肉体を分離する様にしたんじゃ、あれは主人殿の世界の更に未来に行われる刑罰とでも言うべきかのう…………」


「どうしてそうなった?」


「かつて神と人は伴にあった、今がその時代じゃな、そして人々は信仰を忘れ、おのが欲望に忠実となった。其が主人殿達の時代じゃな、、、そして神は再び大いなる罰を下した、主人殿の時代の更に未来の話じゃ、そして人々は神の偉大さに恐れ再び神と伴に有ろうとした。神は人々を許し、人々と伴に再びあった、これが違うのじゃ、神は人々を支配したんじゃ、イナンナはそれに抵抗したんじゃよ、じゃがベール達は人々を使い、神へ謀反を企てた一柱の神を人々を使い攻撃してきたのじゃ。

食糧に猛毒を仕込んだのはイナンナ、不治の病を振り撒いたのもイナンナ、そうやって人々を支配し狂わせイナンナを悪神へとしたてあげたのじゃ。

結局イナンナは人々を殺める訳にも行かず、追い詰められ人の手によって裁かれた。

其があの状態じゃ………………」


「桜、お前たちはどうにも出来なかったのかよ⁉ イナンナがああなる前にどうにかよー!」


「主人殿も解っていよう? 我らがどういう状態か…………」


「す、すまねー、怒鳴っちまった…………」


「かまわぬ、主人殿がそう言う者じゃから妾は惚れたのじゃ、じゃがどうにも出来なかった訳では無いぞ? どうにかしているからこそ今妾はこうして主人殿と伴に有るのじゃよ?」


「…………そ、、そうだよな…………だが…………いてえな、、救おうと思って頑張った挙げ句が救おうとした者達から裁かれたイナンナの事を思うと…………だが、、大丈夫だ。二度とそんな思いは誰にもさせねー! 俺が必ず守って見せるぜ‼」


俺はイナンナの復活を待った、そして考えていた、そう言えばはしはしに其を匂わす言葉をイナンナは言っていたじゃねーか、、何故俺は気がつかなかった? イナンナにはもう殆ど力は残されていなかったと、、あいつは自分で言っていたじゃねーか、だが人々の愛の信仰であいつは力を取り戻したんだ。

詰りあいつのあのからだの時代は人々から愛と言うものが無くなっていたんじゃねーか、愛を司る神の力が全く無いってのはこう言う事だったんじゃねーか! そしていつも俺の事をあいつは心配していた、俺に居なくなられるのは耐えられないと、それは詰り愛と言う形の信仰の対称が最早俺しか居なかったって事じゃねーか…………

孤独の闘いをあいつはずっと耐えていたんだ、そしてやっと俺と言う信仰を得たんだ。

何故気づかなかった…………情けねーぜ、全くよ…………

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