第182話 信仰
俺達は正式に海王軍のフリーランスとして認められる事になった。
そして今後ムー及びレムリアと海王の一族は様々な部分で契約を結んだ。
まあ契約と言っても一応地球では海王の一族は神である。
神々が望む事は信仰だ、人々の信仰が厚ければそれがそのまま神々の力になる。
ムーやレムリア、南アトランティスでは俺や久美、朔耶はまるで生き神の様に思われている、まあそれも当然と言えば当然だ、内戦を終わらせ生活を豊かにされれば誰でもそう思うだろう。
それが俺達の神格が上がり、久美に至っては神衣を纏に迄至らせた要因の一つでもある。
そこで俺達は海王一族の逸話を作成して、国内の吟遊詩人に語らせる事にした。
今回の冥界での戦闘を中心にした物語りである、そしてそれに因んだ祠や神社の作成も行った。
ポセイドーンと言う名前ではなく、綿津見神わたつみのかみ、日本の海の神である。
実際この神はスサノオから産まれた事になっているが、現時点では誰の事だか解っていない、よってこの神話を少し内容を変えてポセイドーンの事にした。
ただ俺は思う、日本は海洋国家だが何故か綿津見神の信仰が非常に薄い、日本人古来からの食文化が海に由来する文化で有ってもだ。
俺は思う、過去の海神との様々な経緯に今回と同じような事が有って、態と信仰が薄くなるような仕掛けが施されたのではないか? そう思わずにはおれないほど不自然だ。
そして黄泉の国の神に新たな二柱が加わったのは言うまでも無い、ハデスは閻魔大王に、そして久美姫と言う二柱が加わった。
そしてレムリアでは朔耶が平和の神として加わり、軍神として勿論ラフィーネとリーアが、そして勉学の神にミーシャとセナの二人が姉妹神になった。
因みにミーシャ達は何故かムーでは商売繁盛の神になっている、勉学の神にはシエラがなっている、これは俺達が狙ってやったものではなく、自然と人々の信仰が集まった形だ。
ルチルはイシュタルと姉妹神として美の女神になった、これも自然とそうなった形だ、当然と言えば当座だ、同じ顔をしているのだから。
勿論シャチーとカーリーはそのままドゥルガーとカーリーだ。
アンナは俺の隋神となり、俺は母ちゃんと並ぶ闘いの神となった、そしてとある事から俺は子宝の神ともなった。
そして不本意ではあるが、、、大和健としてではなく、松田健としてSM…………所謂特定性行為の神としてその道を極めんとする者達からの信仰を受ける様にもなった…………
当然自然発生的にである…………
陛下やナンナはこの時代帝の一族は神の末裔であるから特にそれと言って逸話を創ったりしなくとも信仰は集める為そのままでいい。
俺達はムーに戻り、当然来る闘いに備えなければならない、よって先ずアトランティスとの国境の警備の教化、長引く恐れの有る戦に対しての国内整備に取りかかった。
先ずはシエラと食糧生産高について意見を交わしていた。
「現在の処ムーの生産高は伸びて居ます。備蓄も充分ですが正直戦の規模と期間によりますね」
「そこが正直解らないんだよな~、現在備蓄はほぼムー全土で行えているのか?」
「はい、格王国に最低国内消費量3年ぶんの米、小麦、大麦、大豆等の備蓄を行う様に指示しています。ですからそれらに関してはムー全土に戦が飛火しても大丈夫ですが、それ以上となるともう手がつけられませんね」
「量としては充分だな、それにいくら何でもこの広大なムー全土に戦が飛火する事は無いだろう、解った、だが農耕用地の拡大はまだ続けるつもりだ、その辺りはミーシャやセナと引き続き思案しておいてくれ! 処でシエラ、足治って良かったな、今更になった事許してくれ」
「いいえ! 健さまは戦の連続で仕方ありませんでした。大事な時におなごの事など気にしていてはいけません‼」
「いや、そんな時だからこそお前たち妻の温もりが必要何だよ! 処で結局あの武器は使わずに済んだそうだな?」
「はい、魔力と科学の融合武器、あれを使わずにすむなら超した事は有りません‼」
俺と浩二が造ったレールガンに続く武器第二段だ、だが現在シエラにしか扱えない、何故かと言うと、iPadに入力が必要だからだ。
魔力には人それぞれに指紋ならぬ魔力紋が有る、徳性とでも言うべきか…………
先ず戦闘中に相手の魔力をスキャニングする。
スキャニングと言ってもスキャナーを使用するわけではないが、魔力紋をデジタル返還する事には違いは無い。
そして念話傍受の理論を使用し相手の位置を特定する。
後はその位置めがけてガ○ダムで言うファンネルを飛ばし、魔法攻撃を加える訳だ。
この一連の動作をiPodを使用し、演算するわけだ、標的を一度に100人迄演算誘導出来るが先ずは魔力紋の登録作業をしなければいけないのでシエラでなければ今の所無理なのだ。
だが一度登録してしまえば消さない限りいつまでも魔力ファンネルの攻撃対象になってしまう、実は今回生き残った敵の大勝クラスの魔力紋はシエラがかなりの数登録しているのだ、逃げ伸びて北アトランティスに亡命したやからがかなり居るそうだ、次で充分役にたってくれるだろう。
因みに魔力ファンネルの有効射程は100キロに及ぶ…………
一端戦場に出れば相手の本陣にまでファンネルを飛ばせるのだ。
このファンネル、機密事項に指定しているので存在を知るものは俺の家族だけだ。
そして対に期が熟したとの事で俺達は月のクリスタルタワーへと向かう事になった。
いよいよこの世界で俺がやるべき事の一つが達成出来る訳だ。
岩戸開き、詰りイナンナの完全復活だ、現在のイナンナの体は本来のイナンナの体では無い、あれはイナンナが転生した姿だ、だがイナンナは本来の自分の体をクリスタルタワーに眠らせて居る、何故そんなまどろっこしい事をしているのかは不明だが、イナンナの本来の体は朽ちてはいない。
本来の転生とは違った転生を行ったのだ、だがイナンナは体を取り戻さないと楓が集めた多くの分身対、詰りジャーリア達の魂との統合が出来ないのだ。
現在の生きているジャーリア達の魂を引っこ抜く訳では無い、まだ転生を果たしていないジャーリア達の魂をイナンナと統合させるのだ。
それでも充分にイナンナは体を取り戻せる。
先程イナンナから楓が集めた魂が岩戸開き可能な分まで坪に満ちたとの知らせが入ったのだ。
「陛下、ナーナ、ルチル、みんな用意出来たか?」
「はい、大丈夫ですよ!」
「朔耶はクリスタルタワー初めてだったな? 多分ひっくり返るぜ?」
「ですがこれだけの人数を本当に一編に転移出来るのですか?」
「ああ、イナンナなら可能だ、あいつの転移や転生の能力はずば抜けているからな」
「流石は神と言う所ですね…………」
「今回は妾達も同行する故、イナンナもそれほどは力を使うまい」
「クリスタルタワーでは朔も桜もイナンナも、俺への支払いが貯まっているからな、纏めて返して貰わねーとよ」
「急に腹が痛くなってきおった…………やはりイナンナの下へは主人殿達だけで行くが…………」
「顔色は悪くない、1発やれば直ぐ治る」
「そんなんで治る訳が無いであろう‼」
「イナンナから念話だ、そろそろ行くぞ‼」
そして俺達は全員クリスタルタワーに転移した。
クリスタルタワーはイナンナの壮大な魔力に満ち溢れ、輝いていた。
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