第157話 敵の全容
第五プリズン、イシュタルとイオフィエルの戦いが始まろうとしている。
「さてどうやって痛め付けるとするか、ただ殺してしまってはこれだけの美貌だ、勿体ないですからね?」
「はー…………貴方に聞かせる良い声等有りませんよ、私は声ですらお父様の物です。ほら、これが何だか解りますか?」
「武器、杖か、しかし不思議な形だ」
イシュタルの出した杖は頭の部分にピンクのハートをあしらい真ん中に綺麗な宝石がついた正に魔法少女の杖だった。
「当然でしょう、この世界の物ではありませんから、これは私が小さい頃お父様に頂いた魔法少女の杖と言うおもちゃです。今でも私の宝物なんですよ」
イシュタルが杖を振る度にピロリロと音が出て、虹色の光が出ている
「玩具等出してきて気でも違ったかのですか?」
「いいえ? 私は正常ですよ、でもあのお父様がまともな玩具を送るとは誰も思わないでしょう…………事実、私が大きく成ってからこの杖の秘密に気がついたんですよ…………」
「秘密? 何が仕込まれていたのですか?」
「魔力を増大して撃つ機能です…………」
「あはははは! たかがそんな機能がついて居るだけで大袈裟な、良いでしょう、もう結構です。
さて、囀ずっていただきましょうか」
イオフィエルが突如空中に飛びあがり短剣を構えた
「貴女のそれが魔力を増大して撃つ物ならば、私のこれは魔力を連続して短剣に宿らせて、打ち出す物何ですよ、さて、この複数の短剣による攻撃、かわせないでしょう、串刺しに成りなさい‼」
「話は最後まで聞くものですよ?」
「結構だと言った筈、囀ずれ!」
複数の短剣が同時にイシュタルへ襲って来る……が
パン!パン!パン!パン!パン!
イシュタルは全て迎撃した。
「な! 何をした⁉」
「だから言ったでしょう? 話は最後まで聞くものですと…………この杖は本当に単機能で魔力を増大して撃つだけです、ですが持つものの魔力によりそれは果てしなく増大する…………私の魔力は底無しですよ? だからね……こんな事も出来るんです! ショットガン‼」
ドン‼
魔法少女の杖からまさにショットガンがはなたれた。イシュタルの底無しの魔力から放たれるそれは、一発一発が健のメルト級の威力が有った
「グハーーーー!」
イオフィエルは全身が吹っ飛びグロ死体となって落下してきた。
「ですからあまり使いたく無いんですよね…………ああ、忘れていました、この杖の元の名前は利力の杖と言うそうですよ?RPGと言うゲームでは比較的初期段階で手には入るありきたりの機能を有した杖をお父様が魔改造したそうです、デザインも含めて…………もうお亡くなりに成っていますね……」
「おう! イシュタルじゃねーか、お前が戦ってたのか⁉」
「お父様~‼」
抱きついて来るイシュタル
「しかし…………グロいな…………お前一体何やったんだ?」
「子供の頃お父様に頂いたプレゼントを使ったんですよ?」
「…………俺は子供に一体何を渡してるんだ…………」
「私の中のエレキシュガルの記憶だと、多分私も同じもの貰ってるわね?」
「そうですよお姉さま! お姉さまのもお母様が大切に保管してありますよ~」
「んなアブねえもん俺は子供に渡してたのか…………」
「危なく無いわよ? ただイシュタルが危ない使いかたをしただけよ」
「酷い! お姉さま、それでは私がお父様から頂いたプレゼントを粗末に扱っているみたいじゃないですか!」
「ごめんごめん、言い方悪かったね……」
「どんな使い方でも良いさ、それが結局イシュタルを守ることに成ったんなら、それより急ごう‼ 俺の予想ではこれからが戦いの本番と成って来る」
「今までは前哨戦だとでも言うのかい? 大和君」
「そうは言わないが、今まで出てきた天使は何れも俺達の時代に伝わるアブラハム神話に出てくる天使達だ。今まで出てきた天使はヨフィエル、ザリエル、ラグエル、ラミエル、イオフィエルの5人の天使だ。そうするとこの後出てくるのはサドキエルにサマエルに恐らく成るだろう。」
「七大天使ですか? 健兄さん」
「違う、七大天使は四大天使に格宗教毎に三体を足した物を言うが四大天使が出てきて無いんだよ! 今まで出てきた天使は宗教毎に足されている四大天使以外の天使達だ。」
「大和、と言う事はこれから出てくるのはその四大天使達と言う事か?」
「恐らくな、パンドラは相手が13人と言ったろ? と言う事は今まで戦って来たのが5人、これから出てくるサドキエルにサマエルを足して7人、それに4大天使のミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル、こいつらは一筋縄では行かないだろう、どの宗教でも七大天使に加わっていて、天使の軍団を統率する立場に有る者達だ‼」
「でもそれでは11人よ? パンドラはプリズンは健兄さんの言う通り13有ると言ったわ?」
「そうだ、恐らくその11人を倒すと出てくるのは…………」
「そうね~、神と言われる者達になるわね~」
「ああ、そして俺の知る限り冥界の王に与する神は、ニュクス、ネメシス、タナトス、ヒュプノス、恐らくコキュートスとレーテー、第十二と第十三プリズンの4ヶ所に配置されて居るんだろうな」
「構わん、望む所だ‼ 俺とテーセウス、アイオロスの伯父貴がいれば充分だ‼」
「ああ、頼りにしてるぜネーレウス! 急ぐぞ‼」
「はい!」
ーーーーーーーーーー
そしてアイオロス達は第七プリズンへと到着していた
「先程よりここは凄いな、楓、こっちに来ていろ」
「うん、マルティアお姉ちゃん」
「叔父上、そろそろ大和君達と合流を考えた方が良くないかい?」
「いや、もう少し先に進んでおこう、できる限り敵の全容を暴いておきたいしな」
「なら、ナンナ様、楓をお願い致します。」
「マルティア? お前が行くのか?」
「アイオロス叔父上、特別扱いは無しです‼ 私はここで戦い健様と合流致します!」
「はー……パラスの時とまるで変わらないね~、そう言って君はいつも伯父上やポセイドーン様を困らせていたよ…………」
「テーセウス、叔父様…………でも私は…………」
「解っているよマルティア、トリトーン兄上に君はよく似ている、武力で愛する人を助ける事がトリトーン兄上の信条だった、君も大和君の助けに成りたいんだろ?」
「解った、だが一つ約束しろマルティア!」
「何でしょう?」
「危なく成ったら必ず大和達の到着まで待て! そのパラディオンは神と言えど破戒するのは困難なものだ、それがお前を必ずや守ってくれよう」
「解りました! 必ずそうします、楓、ナンナ様の側を離れてはいけないよ?」
「うん、マルティアお姉ちゃんも気お付けてね?」
「ああ、勿論だ!」
「別れはすんだかい? お嬢さん」
「お前は! このプリズンの監守か⁉」
「そうだ、私はこのプリズンの監守、大天使サマエル」
「そうか、サマエル、私はムーの大将軍にして、神ポセイドーンの孫娘、マルティアだ! では皆先に進んでくれ!」
「気お付けるんだぞ! マルティア」
アイオロス達は次のプリズンまで進んで行った
「さてお嬢さん、最初に言っておこう、私は別名、神の毒、神の悪意、又は赤い蛇と呼ばれることもある。この意味が君に解るかい?」
「いや、解らないが⁉」
「ならば説明しておこう、私は人々からこう呼ばれているのさ、ルシファーと並ぶ魔王! とね? 神に匹敵する程の力を有し、そして強大な魔力を持っている。君にこの私の相手が勤まるか?」
「馬鹿にするな! 私とて神の子、そう簡単に倒せると思うなよ!」
「勇ましい事だ、なら遠慮はしないのでそのつもりで…………」
ルシファーに匹敵すると言うサマエルの実力は、そしてこれから待つ四大天使と神との戦い、いよいよ死闘が健達に課されて行く
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