第149話 冥王の領域

アガルタと冥界の差をつけるために、今回は別けて書く事に決めました


本文

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最初降り立ったジャングル地帯では細い川がいくつも蛇行しており、そこを河口に向かって歩いていたが、太い川へとたどり着く。

そういえばこんな話を聞いた事がある。


かつて映画館ではニュースも流されていた。

作品の合間に、政治や経済、芸能、それに海外の映像をスクリーンに映し出していた。

これは日本だけではなくアメリカでも戦後しばらくは、映画館が映像ニュースを見る貴重な機会であった。

1947年、アメリ力の西海岸、資料によってはニューヨークで見た証言のある重大ニュースがある。


その内容はこうだ。


その映像は非常に奇妙でした、映像はジャングルで大河が大きく蛇行する熱帯雨林は、どこか異様であたかも夕日に照らされているがごとく赤く染まっていました。


そしてこれが当時のナレーションだ。

これは北極の彼方で撮影されたものである、地図にはいっさい載っていない未知の世界。

密林の間を大きな動物たちが俳徊する異世界、そこに広がる湖や海は、まさにダイヤモンドのきらめきである。


声の主はリチャード・E・バードその人。

アメリ力合衆国海軍の軍人リチャード・E・バード少将は、アメリカが誇る極地探検家だった。

当時世界の覇権を目指すアメリカにとっては北極と南極の地も重要な地であった。

リチャード・バード少将は、偶然にも未知なる異世界へと迷い込んだ。この真実を報道したニュース動画を多くのアメリカ人たちは見たと言う。

多くの人は映画作品の延長上にあるフィクションの映像かアメリ力人特有のジョークではないか

と思うかもしれないが、れっきとした報道だ。

しかし、このショッキングな映画ニュースは、しばらくして何もなかったかのように消されてしまった。

隠蔽というより封印である、事の重大さに気づいた当局が報道管制を敷いたのだ。

当時は数少ない映画館さえ押さえれば良かったのだから、それは簡単な話だ。

現在その時の映像や写真がネットで見る事が出来る、眼前に広がる景色は正にそれだ。


「これでは時間が掛り過ぎるので近隣まで転移致しませんか? 健様」


「出来るんなら先に言ってね⁉ ナンナさん!」


「先程歩いてと言ってましたので…………」


俺達は転移でカラーパの近隣まで行く事にした、転移事態はナンナの力はイナンナ程大きくなく、複数回に別けて行った。


「彼処に見えるのがカラーパの町です、崖の上に立っているのがこの国の領主が住む城です。

そしてあのペンタゴンが祭壇であり、地上への転移装置でもあります。」


「ハデスは何処に居るんだ?」


「ハデスはこの亜空間世界の神、恐らくはあの高い塔の屋上に居ると思います」


「領主の居城と神が住むところは区分けされているのですね」



「そうよ、あの向こうに見えるアケローン川を越えた所にハデス様は居るわ」



「お前は?」


「私はパンドーラ」


「パンドーラ、お前はまだハデスにくみして地上に害悪をもたらして居るのか」


「あらアイオロス、私をそのように造ったのはあなた方神の側でしょ?」


「ピュラーは既に改心してデウカリオーンと幸せに暮らして居るぞ」


「娘は娘、私は私よ」


パンドラはオリュンポスの神々が造った人間に害悪をもたらす存在である


「まあいいわ、私は案内役。

先ずあなた方はアケローン川を渡る前に、ハデス軍の精鋭5000と戦い、アケローン川にすすむ。

その先に渡れる者はあなた達で選抜した13人のみ。

何故13人かはあのアケローン川を渡る船が定員13人なの、又渡し船は一方通行にしか動かない。あの先は本来冥府と呼ばれる土地なの、普通の人間には魂になって初めて入れる場所だから戻る必要は無いでしょ?」


「そしてその向こうの塔のてっぺんにハデスがいて、マナの壺は盗人野郎のハデスが持って居るって訳か」


「あら勘違いしないで頂戴? マナの壺はハデス様が冥界の王と成った時にドラコ族から献上された物よ!」


「どのみちイナンナの物を私物化してる事には変りねーじゃねーか」


「無駄口叩いている暇が有るなら急いだ方が良いわよ? アケローン川を渡る渡し船は1年に一度しか出ないし、後1時間程で出てしまうわよ?」


「そのような物、翔んで渡れば良いだけだ‼」


「貴女パラスね? 相変わらず単細胞ね、転生しても馬鹿さ加減は変わらないのね」


「何だと!」


「マルティア、落ち着きなさい、そう言う言い方からすると、翔んでは向こうに渡れない、と言う解釈で良いのですね?」


「人間と言えど、流石は原初神ナンナの分身ね、そうよ、言った筈、あそこは本来冥界の入り口だと…………

生身が渡る方法は只一つよ、ハデス様の結界が張られて居る渡し船にのる事のみ、ゼウスと言えど冥界の領域は自由が効かないの、だけど渡った所でそこに待ち受けるのはハデス様に中性を誓った神よ! 貴女達に勝ち目は無いわね」


「そりゃどうかな? 俺達が勝ったらお前の今履いてるパンツ貰うからな!」


「母親が母親なら、息子も息子ね……良いわよ、そんな奇跡が起こせたらね」


「約束だかんなーーー! 嘘ついたら駄目だかんなーーーーーー!」


「良かったわね~健ちゃん」


「…………テーセウス、大和を引きずってこい、有れと一緒に居ると恥ずかしい、出来ればアグディスティスも……」


「僕はああいうの好きだなー、でもアグディスティスさんはきついかな~?」


「大和を連れてくれば勝手についてくる…………」


そして俺達はアケローン川の付近まで移動した。パンドラはにたにたと笑いながら俺達についてくる…………

スカートを捲ってやった。

ガン‼

除いている後頭部にエルボーを喰らった


「ただで見せる程安いものじゃ無いわよ!」


「減るもんじゃねーし良いじゃねーか!」


「減るわ!」


「減らねー! 証拠見せろ証拠ー!」


「…………」


「ホーラ見ろ! 証拠出せねー…………」


バキ‼


「んが!」


「下らない事やってないで敵よ‼」


アケローン川縁にレプテリアンとギガンテスの軍勢が約5000居た。


「旦那! ここは先ず俺に先制させて貰うぜ!」


「マヒシャ! 解った、頼んだぜ!」


「おうよ! 番天印‼」


マヒシャの番天印が次々と空中に押印する、そしてレプテリアン達が攻めて来た時に


「おら! 死ねやトカゲ野郎!」


ドガーン! ドゴーン‼


次々と爆発する印、やはりあれは最強の宝貝だ。

ワルキューレ隊に対処法を教えて居なかったらヤバかったぜ…………


「次はこっちだ! 番天印」


「じゃあ僕も暴れたいから行って良いかな? 大和君」


「構わねーぜ! テーセウス」


「よし! 第一陣はお休みだったからつまらなかったよ! 行くぞ!」


ギリシャ神話の英雄テーセウスの戦い、この目で拝めるとはな、見せて貰うぜ!



「この雷、避けられないぞ‼ ブリューナク!」


ブリューナク、ケルト神話の必ず勝利をもたらすと言う槍、伝説の武器、やはり持っていたか。


ドガーン!

槍が高速で飛んでいき、勝手に雷を纏い次々と敵に刺さって行く


「んーー!」


遊撃隊が俺の号令を待たずに勝手に飛び出して行く


「じゃあ兄貴! 俺も一暴れしてくるぜ‼」


「ああ、行ってこい」


「私達はどうします~?」


「そうだな、右側の敵の掃討を頼む」


「じゃあママも久しぶりに自分の武器で戦ってこようかしら?」


「母ちゃん武器持ってたのか?」


「そりゃ~持っているわよ~」


「止めてくれ! アグディスティス、ここはもう充分だ! お前の武器はまだここで使うのは早い‼」


「そうかしら~? でも急がなきゃいけないんでしょ? 私の武器なら直ぐにけりがつくわよ? ここは地上じゃ無いから被害も気にしないでいけるし~」


「兎に角大丈夫だ! 武器はいらん…………」


アイオロスは何を怯えているんだ? 母ちゃんの武器はそんなにやばいのか? キュベレイの武器ってなんだっけ? 獅子ぐらいしか思い浮かばねーが…………



「嘘⁉ 冗談でしょ? 精鋭がこんなにも呆気なく…………」


「パンツにしっかりとシミをつけとけよ? パンドラ…… 人間の成長は早いんだ、あそこのワルキューレ隊の強さはお前の知っている人間と比べたらそれこそ神と子供の差があるぜ?」


テーセウス、マヒシャ、ブローマの働きはとんでもないモノだった、テーセウスの槍、ブリューナクはそれこそ一降りでギガンテスを両断出切る程強力な武器だった、また番天印や火栓槍は対複数の武器、そしてワルキューレ隊の活躍で勝敗は30分足らずでついてしまった。


「さて、アケローン川を渡らせて貰おうか」


「解ったは、メンバーを決めて頂戴」


対に決戦の地へ向かう俺達

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